思わず目が合った「来い、来い」 100試合が生んだ絆…“喜ばない男”が信念を崩したワケ

森保監督も歓喜の輪に加わった【写真:岩本太成】
森保監督も歓喜の輪に加わった【写真:岩本太成】

森保監督は日本歴代最多国際Aマッチ100試合目の指揮だった

 日本代表(FIFAランク19位)は11月18日、東京・国立競技場で行われたキリンチャレンジカップ2025でボリビア代表(同76位)と対戦し、3-0で勝利を収めた。日本代表を率いて国際Aマッチ100試合目となる一戦を勝利で飾った森保一監督は「非常にうれしい思いで、100試合目を終えることができました」と振り返った。

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 いつもならありえない光景だった。1-0で迎えた後半26分、FW町野修斗がゴールを奪うと、ベンチ前でMF遠藤航や堂安律、DF板倉滉らが祝福の輪を作り始める。すると、いつもは滅多にゴールシーンでは感情を表に出さない指揮官が、歓喜の輪に飛び込んでいった。

「2点目が入った後に、選手何人かと目が合って。『来い、来い』と言われたので(笑)。これはお祝いしてもらえるんだなと、私もそこに乗っかって、円陣に入って一緒に喜ばせて頂きました」

 サンフレッチェ広島の監督時代から“喜ばない男”として有名だった。2012年に就任した当初は得点が決まった際は喜んでいたが、就任1年目にいきなりリーグ優勝するなど、監督として厳しい試合を経験すればするほど、ゴールに“一喜一憂”しなくなっていった。

「もちろん、心の中では喜んでますよ。喜んでますけど、まだ試合が終わってないですし、色んな厳しい戦いを経験して、喜ぶよりも、次どうするか、最後どうなるか、みたいに考えるようになって。一回、誰かのすごいシュートが試合終盤、しかもギリギリで決勝ゴールになったんですけど、僕が何もリアクションしなかったんです。その映像がミーティングで流れた時に、選手たちから『ノーリアクション』『全然喜んでないじゃん』といじられたこともありました」

 そんな男が“信念”を崩してまで歓喜の輪に加わった。それは選手、そしてスタッフの思いがヒシヒシと伝わってきたからだ。

「試合前のミーティングで名波コーチが100試合に触れてくれたり、スタジアムのロッカーで円陣を組んでピッチに出る時に遠藤キャプテンが『勝ってお祝いをしよう』と言ってくれた。選んであげられる選手、そうでない選手がいる中で、この競争を厳しく見ている私にも温かくしてもらい、本当にありがたいなと思っています」

 2018年9月11日のコスタリカ戦から7年超に及び、着実に歩みを進めてきた森保ジャパン。100試合目の節目で、強さと共に、強固な結束力を示した。

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