日本の「課題見つけるの難しい」 代表OBが完勝に持論…24歳MFは「ポジションを奪いかけてる」

ガーナ戦を快勝した日本代表【写真:徳原隆元】
ガーナ戦を快勝した日本代表【写真:徳原隆元】

【専門家の目|太田宏介】日本代表はガーナに2-0で勝利

 サッカー日本代表(FIFAランク19位)は11月14日、愛知・豊田スタジアムで行われたキリンチャレンジカップ2025でガーナ代表(同73位)と対戦し、2-0で勝利を収めた。この試合について元日本代表DF太田宏介氏が総括した。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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「課題見つけるのが正直もう難しいくらい」

 太田氏は試合を振り返り日本代表が内容含めて完勝だったと言及。太田氏の言葉通り日本は立ち上がりから前線にプレスをかけ、中盤では個人のデュエルに勝ちボールを回収。そして攻撃へとつなげた。

 すると前半16分、DF谷口彰悟とMF佐野海舟のプレッシングでボールを奪ってショートカウンターを発動。MF久保建英からパスを受けて抜け出した佐野が左サイドの南野へラストパスを送り、先制点を奪った。

 後半も佐野を中心にセカンドボールを回収し続け、常に自分たちの土俵でプレー。そして同15分、敵陣右サイドでボールを持った堂安が相手DFとの駆け引きからニアサイドを打ち抜いて2-0とリードを広げた。守備面では最後まで、ガーナに大きなチャンスを作らせずに、2-0で勝利。10月のブラジル戦(3-2)に続き2連勝を飾った。

「ブラジル戦でああいった勝ち方をして、1か月空いたもののチームとしては少し気持ちの緩みとか出てしまいそうな中で、しっかりと立ち上がりから90分通して優位に進めてたと思います。先制点のところも含め、日本が一番やりたいことができた。組織的な守備と前線からのプレスと個人の部分、両ボランチがかなり相手の縦パスや攻撃の芽を摘んでいたので、奪ってからのショートカウンターがハマった2得点だったと思います」

 日本は2点リードしたあとにDF菅原由勢やMF藤田譲瑠チマ、そして初招集されたMF北野颯太とFW後藤啓介が代表デビューを飾ったなか、「代わった選手たちもそれぞれ自分の良さも出てましたし、本当にチームの総合力の高さを感じたゲームだったなと。もう課題を見つけるのがすごく難しいぐらい盤石だと思いますし、W杯に向けていい流れができているなという印象ですね」と絶賛している。

 そして太田さんが選ぶマン・オブ・ザ・マッチは「文句なしで(佐野)海舟ですね」と佐野を挙げた。佐野はボランチとしてスタメン出場をすると、試合の序盤から球際で激しくぶつかり、フィジカルで自信を持つ相手に引けを取らなかった。何度もボールを刈り取り、相手のチャンスの芽を摘み、守備だけでなく攻撃でも先制点をアシストと大車輪の活躍を見せた。

「海舟の出来の良さ、誰が見てても凄さを感じたと思うし、もうプレーエリアが広すぎて。特にこの2か月の圧倒的なパフォーマンスと、ブンデスでもいろんな移籍話が具体的に出てくるぐらい今旬な選手。調子はとても良いので、例えば遠藤選手や守田選手のようなこれまで主軸を担ってた選手たちの居場所、彼らのポジションを本当に今奪いかけてるというか。かなりレベルの高い競争をしていますよね」

 町田で共闘歴のある元同僚へ賛辞の言葉が止まらなかった。24歳の“ダイナモ”は日本代表に新し風を吹かせており、本大会まで7か月を切ったこのタイミングで目まぐるしい活躍を見せている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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太田宏介

太田宏介(おおた・こうすけ)/1987年7月23日生まれ。東京都出身。FC町田―麻布大学附属渕野辺高―横浜FC―清水エスパルス―FC東京―フィテッセ(オランダ)―FC東京―名古屋―パース・グローリー(オーストラリア)―町田。Jリーグ通算348試合11得点、日本代表通算7試合0得点。左足から繰り出す高精度のキックで、攻撃的サイドバックとして活躍した。明るいキャラクターと豊富な経験を生かし、引退後は出身地のJクラブ町田のアンバサダーに就任。全国各地で無償のサッカー教室を開校するなど、現在は事業を通しサッカー界への“恩返し”を行っている。

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