23歳日本人ほどの実力者「なかなかいない」 元代表FW目線で感じる凄み「あんなのできねえ」

パルマの鈴木彩艶【写真:アフロ】
パルマの鈴木彩艶【写真:アフロ】

【専門家の目|ハーフナー・マイク】鈴木彩艶はキックオフ直後に得点を演出

 イタリア1部パルマは現地時間11月2日、セリエA第10節でボローニャと対戦し1-3で敗れた。勝利にはつながらなかったが、パルマの日本代表GK鈴木彩艶は、キックオフ直後のロングフィードで開始13秒弾を演出した。ヴァンフォーレ甲府などで活躍し、オランダ1部リーグで通算51得点を挙げた元日本代表FWハーフナー・マイク氏が絶賛している。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部)

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 まさに規格外のプレー。前半のキックオフで味方からバックパスを受け、トラップから右足を振り抜くと、およそ70メートルのロングパスが相手ペナルティーエリアへ飛んだ。相手が頭でクリアするも、MFアドリアン・ベルナベがこぼれ球を拾いシュートし、そのまま先制点が決まった。

「相手の選手は明らかに目測誤ってますよね。大体はもっとペナルティーエリア手前らへんで競るの今回はバックステップしないといけなく、その状態で競ったからボールがあまりクリアできなかった。その流れで得点につながっている」

 鈴木の特徴は190センチ100キロと恵まれた体格だけでなく、ロングキックやビルドアップなどの攻撃面、さらにセービングでも至近距離からのシュートを止めるなど、全てにおいてハイレベルなところだ。

 直近でも先月19日のセリエA第7節ジェノア戦(0-0)で、退場者を出す苦しい展開を強いられたなか、PKストップを含む7度のセーブを記録。至近距離からのヘディングシュートを驚異的な反応で防いだ“理解不能な”シュートセーブは大きな反響を呼んでいた。

 ハーフナー氏も「完全に一点もののシーンで、至近距離からのシュートを鬼反応。『あんなのできねえよ』と。相手からしたら『よっしゃ、1点ものだ』って思う。あんな風に止められたら『マジか』ってなりますよね」と、ストライカー目線での心情を明かした。

 ハーフナー氏は鈴木の凄さについて「もちろん身体能力もあるし、他の人が届かないところに届く」と言及。「ただ届くならそこそこの選手がいるんですけど、ほとんどの選手は力強いシュートに手が弾かれてそのままゴールインする。でも鈴木選手はしっかり弾くし、その弾きも強い。キックもあれだけ飛ぶのは正直力だけじゃないし、インパクトの部分や体の使い方、いろいろ備わってあれだけ飛ぶ。まずあれだけ飛ぶ選手もなかなかいない」と、感嘆している。

「すごいゴールキーパーが出てきたなと思いますし、もっと注目されてもいいと思うけどなってすごい思う」と絶賛。今季終了後にはW杯も控えるなか、クラブでも代表でも最後尾からチームを支えている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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ハーフナー・マイク

ハーフナー・マイク/1987年5月20日生まれ、広島県広島市出身。2006年に横浜F・マリノスの下部組織から昇格。福岡、鳥栖への期限付き移籍を経て、2010年に甲府に完全移籍。2011年にJ1で日本人トップの17得点を挙げ、日本代表に初選出。2012年1月にオランダ1部フィテッセに移籍。スペイン1部コルドバ、フィンランド1部ヘルシンキを経て、15-16シーズンはオランダ1部デン・ハーグに加入し、16得点を記録。その後は神戸や仙台などを経て、2022年に現役引退。日本代表は通算18試合4得点。現在はJ2甲府のクラブアンバサダーに就任し、ホームタウン活動やスクールコーチを務めている。

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