複数校からオファー→静岡強豪を選択の訳 目を奪われたJリーガーの先輩「見習っている」

静岡学園の2年生ストライカー坂本健悟
第104回全国高校サッカー選手権の都道府県予選も佳境に入り、各地では代表校が決まり始めている。ここでは全国各地で繰り広げられている激戦の主役たちのエピソード、プレーなどをより細かくお届けしていきたい。
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第5回は静岡県予選準々決勝・第一試合、プレミアリーグWEST9位の静岡学園高と、県リーグ1部6位の名門・清水桜が丘(旧・清水市商業)の一戦から。この試合で途中出場ながらポストプレーとゴールに迫る迫力を見せて流れを引き寄せた2年生ストライカーの坂本健悟について。抜群の将来性を持つ184センチの大型ストライカーは憧れの選手の前で気迫のプレーを見せた。
184センチの高さを生かした空中戦、スピードと足元のスキルを持ち、プレーを見れば強い魅力を感じる。数字的にもプレミアWESTでは15試合に出場し、チームトップの6ゴールをマークしている。
大阪市ジュネッスFCU-15でプレーをしていた時から、フィジカルやポテンシャルを評価され、複数の全国の強豪校から声がかかったが、その中で静岡学園のサッカースタイルに共感して静岡にやってきた。
「サイズがある中で、身体のしなやかさやボール扱いはある程度できていると思っていたのですが、『特徴』とまでは言えないレベルだと思っていました。なので、静学でよりテクニックを磨いて、特徴だと言えるようにしないといけないと思って入りました」
サイズがあって速くて、うまい。坂本が言う技術とは、足元のスキルはもちろん、ワンタッチプレーやあらゆる方向から来るパスに反応して、ファーストタッチでの抜け出し、ターンのクオリティーとあらゆるプレーの引き出しを指している。
「収める、抜け出すだけではなく、自分でも打開できる選手になりたいんです」
この理想像は静岡学園に進学が決まった年のエースストライカーに大きな影響を受けていた。進学が決まって静学の試合を見るようになると、当時、高校3年生で最前線に君臨していたFW神田奏真のプレーに目を奪われた。
「僕は中央で仕事することが多いのですが、神田さんは外に流れて自分で打開する場面があるので、そういうことを僕もできるようになりたいと思いました。ポストプレーなど起点となるプレーだったり、ヘッドの打点、ゴールへ向かって行くプレーだったりは神田さんの特徴で、僕も得意としているところなので見習っています。神田さんのイメージはもう押しも押されぬ『静学のエース』でしたし、目標としています」
清水桜が丘戦、多くの静学OBたちが応援に駆けつけた。その中には神田もいた。まさに「御前試合」で坂本は0-0で迎えた後半頭から投入され、強固な守備ブロックを敷く清水桜が丘に対して、密集地帯でボールを呼び込んで収めてサイドや 1.5列目に落とすなど起点を作り出した。
攻撃で圧倒できたからこそ、51分にMF四海星南のシュートで先制すると、80分にも右CKからDF吉田悧軌が合わせて追加点。ゴールこそ奪えなかったが、2-0の勝利を手繰り寄せた。
「ここで投入された意味を考えてプレーしました。静学にはサイドに特徴的な選手が多くいるので、僕のサイズや特徴をより活かすことで、ポストプレー、ゴール前でクロスに合わせる力、サイドとの関わりを求められている。その意識を持ってプレーしました」
取材中、目の前に神田が姿を現した。彼は少し緊張した面持ちで軽く挨拶を交わした。入れ替わりゆえに面識はあまりない。だが、プロになると言う夢を叶えて、川崎で出番をつかみ、U-20W杯にも出場した憧れの先輩の姿を見て、再び大きな刺激をもらったことは間違いない。
静学が誇るハイタワーはあらゆる技術を身につけながら、着実に大きく羽ばたくための準備を積み重ねている。まずは後2つ勝利して、全国でそのポテンシャルを見せつけるべく、彼は役割を果たしながらもゴールという結果を追い求める。
(FOOTBALL ZONE編集部)




















