王者リバプールに一体何が? 11年ぶり4連敗…“深刻な不振”に現地注目「混沌とした雰囲気」

公式戦4連敗のリバプール【写真:ロイター】
公式戦4連敗のリバプール【写真:ロイター】

エースのサラーは7戦連続ノーゴールと不振

 イングランド1部リバプールは、現地時間10月19日に行われたプレミアリーグ第8節マンチェスター・ユナイテッド戦に1-2で敗れ、公式戦4連敗を喫した。昨季王者が見せる不振について、英公共放送「BBC」は「一時的な不調と見られていたものが、今やより深刻なものになっている」と警鐘を鳴らしている。ユナイテッドにアンフィールドで10年以上ぶりの勝利を献上し、チームの苦境が浮き彫りとなった。

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 チームの苦境を象徴したのは、エースであるFWモハメド・サラーの姿だった。1-2と劣勢のなか、同点ゴールを必死に追いかける展開で、サラーはFWジェレミー・フリンポンとの交代を命じられた。同メディアは「エジプトの王」と称されるサラーがピッチを去る姿を「現在の苦闘を象徴する不吉な光景だった」と伝えている。

 この敗戦で、リバプールは2014年のブレンダン・ロジャーズ政権以来となる4連敗を記録した。アルネ・スロット監督は「4回連続で負ければ、懸念する必要がある」と試合後にコメント。もし次戦のUEFAチャンピオンズリーグのフランクフルト戦で5連敗を喫すれば、1953年9月以来の不名誉な記録となる。

 攻撃陣も精彩を欠いている。ユナイテッド戦ではFWコーディ・ガクポが3度もポストを叩く不運もあったが、チーム全体として「アイデアに欠けていた」と指摘された。特にサラーは絶好機を決めきれず「33歳の現在のフォームと自信の欠如を浮き彫りにした」と報じられた。これでサラーはPKを除くと7試合連続でゴールから遠ざかっている。

 リバプールは昨季王者の戦力を強化するため、約4億5000万ポンド(約870億円)を投じたが、新戦力が機能していない。1億2500万ポンド(約242億円)のFWアレクサンデル・イサクと、1億1600万ポンド(約224億円)のMFフロリアン・ヴィルツは期待に応えられていない。同メディアは合計2億4100万ポンド(約466億円)に上る2人の「ここまでの貢献は、存在しないに等しい」と厳しく断じている。

 元リバプールDFのスティーヴン・ウォーノック氏は、交代選手の方がインパクトを残したと分析する。「フリンポンは右サイドで途中出場し、10分程度で試合のほとんどの時間のサラーよりも大きな影響を与えた」と言及。さらに、イサクに代わって出場したFWウーゴ・エキティケについても「イサクよりも多くのことをやった」と指摘した。

 守備陣の混乱も深刻だ。「昨シーズン、冷静さと致命的な脅威を併せ持っていたチーム」とは対照的に、現在のリバプールは「混沌とした雰囲気と組織力の欠如を漂わせている」と伝えられた。DFミロシュ・ケルケズは苦戦し、DFフィルジル・ファン・ダイクも失点場面では反応の遅れを露呈した。

 組織力の欠如はデータにも表れている。リバプールは今季プレミアリーグ8試合で「セットプレーから5ゴールを許している」という。昨シーズンは同時期にセットプレーからの失点が皆無であり、守備の脆弱性が顕著となっている。

 チームは首位アーセナルと4ポイント差の4位に後退した。スロット監督は不発のスーパースターたちを早急に立て直す必要がある。キャプテンのファン・ダイクは「今は興味深い時期だ。我々は団結し、謙虚に努力し続けなければならない」と、厳しい状況下での結束を訴えている。

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