窮地救ったPKストップ「ちょっと嫌だと」 守護神が実は“動揺”…襲った突如の変更と「すごい圧」

一森純が終盤にビッグセーブ「絶対止めたいという強い気持ち」
ガンバ大阪の守護神GK一森純が10月5日、スーパーセーブで救世主になった。J1リーグ第33節鹿島アントラーズ戦(0-0)の試合終盤、PKのピンチで完璧にコースを読み切りストップ。相手の18歳FW徳田誉のシュートを止めて、勝ち点1獲得に繋げた。キッカーのデータがほとんどない状態を「気にしていた」といい、相手の揺さぶりは「ちょっと嫌だなと思っていた」と吐露。それでも、今季2本目のPKストップで窮地から救った。
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やはりこの男だった。ドロー濃厚だった後半アディショナルタイム、MF満田誠のハンドでPKを与えた絶体絶命のピンチ。表情を一切崩さなかった一森がゴールマウスに立った。右か、左か。相手のキッカーは18歳の徳田。データはほとんどない。だが、自らを信じて右へ飛んだ。コースを読み切ってのストップ。これぞ守護神の仕事だった。
「正直PKは運だと思っている。実際に入れられてもしてきた。でも絶対止めたいという強い気持ちが流れを引き寄せると思う。うしろからすごい圧がかかっていたので、優勝争いしている向こうのストライカーもすごいプレッシャーだろうなと感じたので、気持ちと気持ちの戦いだなと思った」
実は、徳田がキッカーに指名される前にMF荒木遼太郎がボールを持っていた。一森は「荒木選手かと思ったけど途中で変わったりして、自分の中で心の準備をするのにコロコロ変わられたらちょっと嫌だなと思っていた」と、命運を分けた瞬間に抱いていた心情を明かした。徳田が立っても「(データのなさを)結構気にしていた」という。それでも止められたのは「このまま帰るのは嫌だなと思った。練習でガンバの選手にボコスカ入れられているので、気持ちの勝負だと思っている。そこは持つようにしていました」と、何本のシュートを浴びても向き合ってきた過程があったからこそだった。
今季は6月22日の第22節FC東京戦に続いて2度目のPKセーブ。しかも、ACL2のラーチャブリー戦(2-0)で敵地タイから帰国、中2日という強行日程だった。チームは3バックで鹿島の攻撃陣をシャットアウト。一森は「準備期間がない中で3バックにチャレンジして、決断したスタッフも勇気がいる決断だったと思う。プラン通りに進められたのは本当に良かったし、僕らの時間も多かった。決めきれれば良かったなと」。前日4日の練習ではチーム全体で疲労が溜まり、ほとんどの選手が思い通りに体を動かせなかったという。だからこそダニエル・ポヤトス監督は「優位性を作り出したかった。たとえば半田陸も疲労が溜まっていて上下運動は厳しい。だから3バックの右に置くことにした」と考慮してのシステム変更だったと説明した。
連勝は5でストップしたが、これで公式戦8戦負けなし。勝利に近い勝ち点1となった。FW宇佐美貴史も「こういうサッカーができるというところは深めていけた」とうなずく。1つでも上へ、高みを目指すG大阪にとって価値あるドローだった。




















