J2から飛躍「あの1年半がなかったら」 4年ぶり帰還で…温かい拍手に「懐かしい思い」

札幌・大﨑玲央(写真は2024年)【写真:徳原隆元】
札幌・大﨑玲央(写真は2024年)【写真:徳原隆元】

札幌の大﨑玲央「徳島での1年半があったからこそ、今の自分があると思う」

 北海道コンサドーレ札幌は9月20日、J2リーグ第30節で徳島ヴォルティスに2-1で勝利した。退場処分と累積警告の影響で4選手が出場停止のなか、後半32分から途中出場したDF大﨑玲央が試合を落ち着かせた。試合前には古巣の徳島サポーターから拍手で迎えられ、「懐かしい思いもありましたね」と明かした。

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 前節のいわきFC戦でMF荒野拓馬、FWマリオ・セルジオが退場処分を受け、1-5で大敗を喫した札幌。さらにはMF宮澤裕樹、FWアマドゥ・バカヨコも累積警告で出場停止の緊急事態となっていた。しかし、後半7分にはFW白井陽斗が先制ゴール。後半21分にはMF近藤友喜が追加点を奪うなど、試合を優位に進めた。

 その後もゲームをコントロールした札幌だったが、後半23分に1点を返されてしまう。相手に流れを持っていかれそうなタイミングで投入されたのが、大﨑だった。アディショナルタイム8分と長い時間を耐え抜くと、「本当に勝ち点3を拾うことだけ考えて出ていたので、勝ててよかったです」と振り返った。

 昨年6月に加入し、札幌での2年目となった今シーズン。昨年はボランチ起用がほとんどだったが、昨オフにDF岡村大八が抜けた最終ラインを開幕戦から任される。しかし、開幕4連敗と結果を残すことができず、故障もあって出場機会が少なくなっていた。4試合ぶりの出場も、出番に向けて準備を続けてきた。

 もどかしい状況ではあるが、「そういうときもあるかなとは思う。でも、悔しいことには変わりない。自分の出番が来たときにちゃんとやれるように常に準備して、少しずつ出場時間が増えればいいなとは思います」と大﨑。そのなかで迎えた徳島戦は、J2からJ1へ駆け上がった日々を思い出す一戦でもあった。

 アメリカでキャリアをスタートさせた大﨑は、横浜FCを経て2017年に徳島へ加入。2018年6月にヴィッセル神戸へステップアップを果たした。試合前の選手紹介で名前を呼ばれると大きな拍手で迎えられ、「久々に帰ってきて、皆さん温かい拍手で迎えてくれて、懐かしい思いもありましたね」と笑顔を見せた。

 わずか1年半と短い在籍期間ではあったが、「徳島での1年半がなかったら、たぶんここまでキャリア伸びていたかどうかわからない」と当時を回顧した大﨑。神戸時代の2021年にカップ戦で対戦して以来の思い出の地で、「本当に徳島での1年半があったからこそ、今の自分があると思っています」と感謝した。

 昇格プレーオフ圏内まで勝ち点5差と迫ったが、「常に目の前の試合だけ考えて、勝ち点3を積み上げていければ、おのずと近づいていける」と一喜一憂しない。「自分たちがJ1に上がるという目標は変わらないからプレーオフは大事ですけど、目の前の試合、1試合1試合できるように」と次の試合を見据えた。

 思い返せば昨季、大﨑加入後に怒涛の快進撃を見せた札幌。惜しくもJ1残留には届かなかったが、ピッチでチームを牽引いた。「自分も経験はあると思っているので。やっぱりそれをこういうところで、もっともっと出せればいいなとは思います」。今シーズンも、この重要な局面で大﨑の力が必ず必要となる。

(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)



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