武藤嘉紀の苦悩「サッカーできるのか」 痛み抱え手術決断…5か月間不安の日々「どうしようもなくなった」

横浜FM戦で今季初ゴールを決めた武藤嘉紀【写真:柳瀬心祐】
横浜FM戦で今季初ゴールを決めた武藤嘉紀【写真:柳瀬心祐】

武藤は横浜FM戦で復帰後初ゴールを決め勝利に貢献

 ヴィッセル神戸は8月30日、J1リーグ第28節で横浜F・マリノスと対戦し1-0で終わった。この試合の決勝点を決めたのは神戸FW武藤嘉紀だったが、負傷の影響もありこれが今季初ゴールであった。試合後の取材に応じ「かなり気持ちが楽になった」と語った。

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 武藤は昨季、リーグを連覇したチームでエースとして活躍し、JリーグMVPに輝いた。しかし、4月20日の第11節FC町田ゼルビア戦を最後に離脱。5月23日にチームから腰椎椎間孔狭窄と診断され手術の実施と、全治は3か月見込みと発表されていた。

「ちょっと特殊な手術だった」と明かし、「第2節ぐらいから怪我して、自分のどこが悪いかというのが見つからず、どうしようもなくなって手術になった。痛みが長すぎて、不安とこれからサッカーできるのかっていう期間が4、5か月あったので、その辛さはかなり厳しいものがあった」と、痛みを抱えながらプレーをし、苦しい期間を過ごしていたという。

 そして懸命なリハビリを続け、今月16日の横浜FC戦で途中出場から復帰。前節のセレッソ大阪戦で復帰後初のスタメン出場となり、横浜FM戦でもスタメンに名を連ねた。すると0-0の前半同37分、FWエリキが右サイドを抜け出し中に折り返すと、FW宮代大聖がスルーしたところを最後はFW武藤が右足を振り抜いてネットを揺らした。

 復帰について「これだけ早く戻れるとは正直思ってなかったので、僕を支えてくれたトレーナー、ドクター陣、そういった人たちに感謝しないといけないですし、やっぱりファンサポーターの方々の温かい声援、メッセージっていうのも励みになったので、今日少し恩返しできてよかったなという思います」と最初に支えてくれた人へ感謝の言葉を述べた。

「本当にほっとしましたね。やっぱり怖さがあったんですけど、今日のゴールで少し脳のストッパーみたいなものが外れたような気もしますし、かなり気持ちとしても楽になった。やっと戻ってこれたなっていう嬉しさもありました。今日のゴールは自分にとってリミットを外すためにとっても重要なゴールだったんじゃないかなと思いますね」と安堵の表情を見せた。

 前節のC大阪戦は79分、横浜FM戦は89分と徐々に出場時間も増えているが、コンディションは「もうあとちょっとですね。怖さもなくなってきたので、この強度で良いパフォーマンスを続けていくことが次の課題だと思う。残りリーグ9試合なので調整している場合ではない。とにかく1試合1試合100%出し切って、チームの勝利を貢献出来たらいいなと思います。あとはマインドですね。もういけるんだって脳に思い込ますこと。そこのストッパーがあった期間が長すぎたゆえに体が強張ってしまっていたので、やっと力が抜けてきた。あとは良くなることを願ってケアとトレーニングをしっかりやって、レベルアップできればいいなと思います」と締めくくった。

 チームはリーグ戦で優勝争い、ルヴァン杯は準々決勝から登場、天皇杯はベスト4と国内3冠の可能性を残しており、さらに9月からはアジアチャンピオンズリーグエリートも始まる。帰還した昨季JリーグMVPがどうチームを牽引するのか、8月最後の試合で復活の狼煙を上げた。

(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)



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