インテルとナポリのサポーターが人種差別的な野次 リーグ側が改善求めクラブに警告

イタリアサッカー界に横たわる根深き問題 繰り返されればスタンドの部分閉鎖も

 イタリア・セリエAの懲戒委員会は、日本代表DF長友佑都が所属するインテルと、現在4位のラツィオに対し、サポーターによる人種差別的な野次があったとして警告を発している。

 先週末のゲームでインテルはナポリと、ラツィオはローマと対戦したが、いずれも相手選手に対する人種差別的な声がスタンドから上がっていたという。インテルサポーターが標的にしたのはナポリのカイドゥ・クリバリー、ラツィオサポーターはローマのアントニオ・ルディガーをターゲットにしていたとされた。

 どちらのチームも、今後繰り返されることがあればスタンドの部分閉鎖の処分を科すとの警告が発せられている。

 先週末のゲームでは、ペスカーラの元ガーナ代表MFサリー・ムンタリが、カリアリサポーターから人種差別的な野次を受け、自らプレーを放棄。不許可退出で2枚目の警告を受けて退場処分になったことが物議を醸していた。ムンタリには、2枚の警告による退場者として通常通り1試合の出場停止が科された。

 イタリアではしばしば人種差別的な野次が、悪しき習慣として話題になる。国境や人種を越えて一つのボールとルールの中で共存できるのがサッカーの大きな魅力だが、黒人選手に対するスタンドからの差別的な声は、根深い問題として横たわっている。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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