セリエAが人種差別被害のムンタリに非情裁定 退場処分無効と擁護の声挙がるも出場停止確定

カリアリ戦での野次に抗議し自らピッチを去る 退場取り消しの声が浮上も判定は覆らず

 ペスカーラの元ガーナ代表MFサリー・ムンタリは、現地時間30日に行われたセリエA第34節の敵地カリアリ戦(0-1)の最中に人種差別の野次を受けたことを訴えたが、主審に認められずに警告を受け、さらに試合終了間際には自らピッチを去ったことで2度目の警告を受けて退場処分となっていた。

 この件については各方面からムンタリを擁護する声が挙がり、退場の取り消しも要求された。しかし、リーグ側は決定を覆すことなく、通常通りに出場停止処分を下すという非情裁定を取ったと、英衛星放送「スカイ・スポーツ」が報じている。

 国際プロサッカー選手会(FIFPro)は人種差別を受けたムンタリのケースは特例として、提示された2枚のイエローカードの無効を要求していた。しかし、セリエA側はこれを聞き入れず、通常通りに出場停止処分を与えると決定したという。

 野次を言ったとされるサポーターに対してムンタリは、「これは僕自身の色なんだ!」と毅然とした態度で立ち向かった。これには、人権保護活動などを行う国際連合人権高等弁務官事務所(Office of the United Nations High Commissioner for Human Rights)の代表、ザイド・ラアド・アル=フセイン氏もムンタリの行動に対して賛辞を送ったが、リーグの決定は非情なものだった。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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