浦和が戦った“名前”の亡霊「もったいないくらい」 25歳MFが回顧…効き過ぎた事前情報

浦和の安居海渡【写真:Getty Images】
浦和の安居海渡【写真:Getty Images】

MF安居海渡がオンライン取材に応じた

 浦和レッズは米国開催のクラブ・ワールドカップ(W杯)の初戦、現地時間6月17日のリーベルプレート(アルゼンチン)戦に1-3で敗れた。一夜明け、ボランチの一角でスタメン出場したMF安居海渡がオンライン取材に対応。「失点の場面でもったいないところがあると、差が出てしまう」と振り返った。

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 浦和は前半12分、リーベルで注目された右サイドのMFフランコ・マスタントゥオーノのサイドチェンジを受けたDFマルコス・アクーニャのピンポイントクロスを、FWファクンド・コリーディオに合わせられ先制点を奪われてしまった。

 この場面について安居は「相手の注目選手のマスタントゥオーノ選手が中にドリブルするのに寄せきれず、サイドチェンジされていい質のクロスを持つ選手がフリーになってしまった。入ってくる選手も勢いを持たれてしまった」と振り返る。浦和の守備ブロックの外側を沿うようにパスやドリブルで動く相手に対し、積極的なアプローチができない部分は失点場面以外にも見受けられた。

 さらに後半3分には、DFマリウス・ホイブラーテンがヘディングでGK西川周作にバックパスをするところを読まれ、ドリウシに回り込まれて追加点を奪われてしまった。反撃を見せたい浦和は後半13分、MFサミュエル・グスタフソンが相手を引き付けてMF金子拓郎にパスを出すと、金子がアクーニャに倒されてPKを獲得。これを松尾がGKの逆を取って冷静に決めた。しかし、後半28分には左コーナーキックからMFマクシミリアーノ・メサにヘディングで決められて1-3と再び2点差にされて敗れた。

 全体的に前半からボールを上手く持てなかった浦和だが、事前の情報が選手たちに“効きすぎて”しまったのかもしれない。安居は「相手のプレスが比較的速いという情報があり、中盤はゆっくり持てないという情報があった。入りは1タッチ、2タッチでの意識をして入れと言われていた」と話したほか、マスタントゥオーノについても「レアル・マドリードに移籍する選手と聞いて、映像ミーティングでも要注意人物と言われていた」と話す。

 しかしPK獲得の場面を見れば、低い位置でのつなぎに安居も関わったプレーだったが、相手を引き出して裏返す浦和の得意とする攻撃が機能した一幕だった。MFサミュエル・グスタフソンが「ボールを奪ったあとにちょっと急ぎすぎた部分があったと思います」と話したように、必要以上に相手のプレスを警戒してボールを慌てて離していた感はある。また、マスタントゥオーノについて安居は「言い方が難しいですけど、正直、そこまでの選手かなと思った」と話したが、凄い選手だというイメージを戦前に受け取り過ぎたからこその感想なのかもしれない。

 トータルしてみて安居は「結果的に見れば1-3で負けて差はあると感じたのだけど、全部が全部やれなかったわけではないと思う。負けて、もったいないくらいの感じなので。失点の場面でもったいないところがあると、差が出てしまうと思う」と話す。ある種の“名前負け”が顔を出してしまった敗戦だった面もあるのだろう。

 この後、浦和はUEFAチャンピオンズリーグ(CL)準優勝のインテル(イタリア)、モンテレイ(メキシコ)と対戦する。両者が初戦で引き分けたため、浦和はインテルに第2戦で敗れると敗退が決まる。安居は「最低でも引き分け。もちろん目指すのは勝ちですけど、この大会を終わらずに続けられるようにつなげていけたら」と話す。浦和スタッフによると応援席のチケットはリーベル戦を上回る約2500枚が販売されているという。世界的に話題にもなったサポートを背に、第3戦に突破の可能性を残したい。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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