ハットは「狙っていた」 2得点27歳DFを躍動させた遠藤コーチの金言「努力は嘘つかねえ」

G大阪の岸本武流【写真:Getty Images】
G大阪の岸本武流【写真:Getty Images】

岸本武流が自身J1初2ゴールの大活躍「めっちゃ気持ちいい」

 ガンバ大阪は5月3日、J1リーグ第14節湘南ベルマーレ戦で4-0の完勝を収めた。前半だけで4得点とゴールラッシュ。約2か月ぶりに先発起用された27歳DF岸本武流が2ゴールで期待に応えた。元日本代表MF遠藤保仁コーチの“ヤット塾”で居残り練習を重ね、プロ初の複数得点。泥臭く押し込んだ今季初ゴールは「諦めずに走り続けて気持ちで相手ごと押し切った」と、“らしい”一発だった。

 この一戦にかける闘志が伝わってきた。前半2分で先制し、追加点を望んだ同13分。FW宇佐美貴史が抜け出してシュートを放つと、こぼれ球に詰めていたのが岸本だった。逆サイドから押し込んで今季初得点。さらに同29分にはMFファン・アラーノの左クロスを流し込んでこの日、自身2点目を挙げた。

「めっちゃ気持ちいいです。本当に自分らしいゴールだと思います。泥臭い、相手が嫌がるワンタッチのゴールができたなと思います。(1点目は宇佐美)貴史くんからの横パスで決めるのが一番良かったけど、僕が遅れたので貴史くんがシュートを打ったと思う。でも僕は諦めずに走り続けてこぼれ球を押し込めた。相手ごと気持ちで押し切って決めました。(ハットリックは)こんなチャンスはないと思って正直狙っていたんですけど、チームが勝つことが優先だった」

 3月2日東京ヴェルディ戦(1-0)以来、J1で約2か月ぶりの先発起用。「毎回僕がスタメンで出る時、結構急なんですよ(笑)。でもしっかり準備できていたのですごく走れましたし、いい形で点が取れた」。90分間で11キロ以上を走り切って、チーム最多のスプリント数17回。運動量を落とさずに勝利に貢献した。

 遠藤コーチと居残りで練習を積み、「1本のシュートで人生が変わる」と伝えられていた。「これを機に人生を変えたい」。初の2得点に遠藤コーチからも「いやあ良かったね、努力は嘘つかねえからな」と褒められた。

 ベンチであっても、メンバーを外れても努力してきた。2ゴールは力、自信になる。チームも2連勝。歓喜の瞬間を再び迎えるため、岸本はまたシュートを打ち続ける。

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