日本に見えた“物足りなさ” 26歳MF危機感「もっとやらなければ」…チーム力向上への伸びしろ

日本代表の田中碧【写真:徳原隆元】
日本代表の田中碧【写真:徳原隆元】

オーストラリア戦で出た課題を田中が明かした

 森保一監督率いる日本代表は、10月15日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4節でオーストラリア代表と対戦し、ホームで1-1と引き分けた。オーストラリアの牙城を崩せず、攻撃面で物足りなさを感じさせた。

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 最終予選の9月シリーズで日本は中国戦を7-0、バーレーン戦を5-0と快勝。サウジアラビア戦では過去一度も勝利のなかった敵地での一戦を制した。3戦合計14得点無失点とこれ以上ない好スタートを切った日本は、ホームに難敵オーストラリアを迎え撃った。

 日本はサウジアラビア戦から、体調不良で前日練習を欠席した遠藤航がメンバーを外れ田中碧が入り、鎌田大地のところに久保建英が先発となった。互いに3バックを採用したミラー対決となったなか、日本は自陣に引くオーストラリア相手にブロックの外でボールを回す展開になり、サイドから突破口を見つけ出そうとした。

「前半は多少重かったなという部分もあったし、もう少し前に入っていってもよかった。立ち位置の部分で、守田くんと話して改善した部分もあるし、前に人数をかけるという面で、どれくらい行っていいのか、僕も3-4-3システムで初めて出場したということもあって、対戦相手がオーストラリアだったりすると、カウンターもあるので、多少自分も様子を見ていた部分があった」

 26歳の田中がこう明かすように、慎重に入りすぎた面も見えた。いつもならバランスを取る遠藤の代わりに、守田がライン間でボールを受け、ゴール前に飛び出していくシーンも見られていたが、オーストラリア戦ではボランチの飛び出しはほぼなく、中央突破も難しいなかで、サイド一辺倒になってしまっていた。

課題はありつつも「これからが楽しみな部分ではある」

 前半を0-0で終え、後半には守田がサイドに落ちてマークをずらし、入れ替わって田中が左CB(センターバック)に下りてボール受けるなどの工夫も見られた。「僕が外に行って、相手のウイングバックが来れば、(最終ラインが)4枚になるので、そのスライドで出せるだろうし、イメージでは、相手のダブルボランチを食いつかせてその背後を使いたかった」

 しかし、「僕らのシャドーが高い位置を取っている以上は、縦パスはなかなか入りづらいので、自分がサイドに落ちることで、(三笘)薫さんなり(中村)敬斗が入って、相手のラインが5~10m下がるので、そこから自分が潜ってエリア内に入っていくのか、一個下に落ちて我慢するのか、そこの使い分けはもう少しできる」と中が使えない分、外で有利な状況を作り出そうとする打開策を見出せてはいたものの、もう少しやりようはあったと明かした。

 最終的には左サイドで途中から入った中村の個人技からオウンゴールを誘い追い付いた日本。「チャンスを作るところはもっとこだわらないといけない。個人的にも、もっともっとやらなければいけない。チャンスの回数を増やす必要性はあった」と攻撃面での課題に田中は言及した。

 それでも「後半のほうがやり方としてスムーズだったなと。相手が3-4-3で来た時に、立ち位置を変えていく作業はありだなと手応えは感じたし、臨機応変にできる部分があった。そこをやっていければクオリティーも高まっていくだろうし、これからが楽しみな部分ではある。サイドもアンカーもできるので、立ち位置を整理して、守田くんともっと話し合っていければ、より面白いサッカーはできる」と世界との戦いを見据えた時に、3バックはまだまだ発展途上であるが、伸びしろがあるとポジティブに捉えていた。日本のさらなる成長から目が離せない。

(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)



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