日本代表を海外絶賛「トレーニングのようだった」 4-0からの衝撃…中国に空いた“大穴”【コラム】

日本代表・森保一監督と中国代表・イバンコビッチ監督【写真:Getty Images】
日本代表・森保一監督と中国代表・イバンコビッチ監督【写真:Getty Images】

W杯最終予選で中国に7-0大勝、英記者が日本のパフォーマンスを総括

 森保一監督率いる日本代表は、9月5日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選初戦で中国に7-0で大勝した。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を7大会連続で現地取材中の英国人記者マイケル・チャーチ氏が、この試合を総括。中国を完膚なきまでに叩きのめした日本のパフォーマンスを「完璧な結末」と評した。

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 容赦なく、妥協を許さないサムライブルーは過去の過ちを繰り返すことなく、埼玉スタジアムでブランコ・イバンコビッチ監督率いる中国を完膚なきまでに叩きのめした。

 日本はこのワールドカップ(W杯)最終予選ではスロースタートで知られ、過去2度はUAEとオマーンを相手に初戦で敗れ、不必要な困難を強いられていた。

 4年前、イバンコビッチ監督が率いたオマーンに敗れた苦い記憶は森保一監督の脳裏に焼き付いていた。中国戦では快勝が決定的な展開でも、決してアクセルを緩めることはなかった。

 日本の容赦のなさは中国の選手たちを苦しめ、その自尊心を打ち砕いた。試合前の日本と渡り合えるという彼らの考えが幻想であったことは、カタール人主審のアブドゥルラフマン・アル・ジャシムが試合終了のホイッスルを吹くはるか前に明らかになっていた。

 3-4-3のフォーメーションで戦った森保ジャパンは流動的で、攻撃の柔軟性はアウェーチームを翻弄した。

 試合序盤のプランは左サイドの三笘薫をできるだけ多く解放することだったが、徐々に右サイドの久保建英と堂安律が混乱を引き起こすようになっていった。

 中国はその日本の攻撃に対する回答を用意することができず、ただ守備に徹することしかできなかった。

 日本へやってきた来訪者たちはあまりにも早く先制点を許してしまい、苦境に追い込まれた。コーナーキックでマークが甘くなった遠藤航には十分な時間とスペースが与えられ、ヘディングシュートで楽々とGKワン・ダーレイを破った。

 そこからイバンコビッチのチームにとってはダメージを最小限に抑えることが重要な問題となっていた。運とハードワーク、そして日本のフィニッシュが精彩を欠いたことで前半の追加点は三笘のヘディングだけに終わった。

 しかし、このゴールは試合の流れを変えた。中国が掴んだわずかな自信は熱さの残る夕方の空気に消えていき、後半が始まるとともに得点が流れるように決まり始めた。

 三笘の精巧なパスから南野拓実がリードを3点に広げると、モナコの男はさらにゴール隅への巧みなフィニッシュで自身2点目、日本にとって4点目を決めた。

 この時点で日本は手を緩めることもできたはずだった。4-0は森保ジャパンが2024年に味わった苦境を乗り越え、再び軌道に乗っていることを示すのに十分なスコアだった。

 しかし、サムライブルーは容赦なく中国に襲いかかった。森保監督の行う交代策によって、中国に空いた穴はさらに大きく、深くなっていった。

 伊東純也のスピードは中国のDFを恐怖に陥れた。フランスでプレーするこのウインガーは5点目を決め、さらに前田大然が決めた6点目もアシストした。そして、久保建英は自身とチームの素晴らしいパフォーマンスを締め括るように力強いシュートをゴール上段へと決めた。

 これは圧倒的なパフォーマンスの完璧な結末だった。後半の戦いぶりは、より厳しい戦いが予想される火曜日のバーレーン戦に向けたトレーニングのようなものだったと言えるだろう。

(マイケル・チャーチ/Michael Church)



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マイケル・チャーチ

アジアサッカーを幅広くカバーし、25年以上ジャーナリストとして活動する英国人ジャーナリスト。アジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ6大会連続で取材。日本代表や日本サッカー界の動向も長年追っている。現在はコラムニストとしても執筆。

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