【専門家の目｜安田理大】3戦無失点に抑えた守護神・小久保玲央ブライアンを称賛

　パリ五輪男子サッカー競技は現地時間7月30日、グループリーグの最終戦が行われ、大岩剛監督率いるU-23日本代表はイスラエル代表に1-0で勝利した。後半アディショナルタイムにFW細谷真大が決勝ゴールを挙げて、無傷の3連勝。D組を首位通過し、準々決勝でスペインとの対戦が決定した。3試合連続で先発し、見事グループリーグを無失点に抑えたGK小久保玲央ブライアンについて、元日本代表DF安田理大氏は「アジアカップの（川口）能活さんのよう」と絶賛した。（取材・構成＝FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞）

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　日本の砦がまたも立ちはだかった。ここまでグループリーグで安定したパフォーマンスを発揮していた小久保がピンチを救った。前半7分、最終ラインの背後を突かれたが、左足1本でセーブすると、後半35分には最終ラインでのミスからイスラエルに速攻を許したがペナルティーエリア内からのシュートを弾き出し、1分後も同じような形でファインセーブ。日本のゴールを守り切り、グループリーグ3試合無失点で決勝トーナメント進出を決めた。

　ここまで絶対的なピンチを救い続けてきた小久保について、安田氏は「アジアカップの能活さんみたいな。ずっと出て、調子が上がっていって神がかり的なセーブをする」と大絶賛。川口氏は2004年のアジア杯準々決勝のヨルダン戦でPKを2本ストップ。今も、伝説として語り継がれている。小久保を3試合連続で先発起用した大岩監督の采配も「やっぱりうしろはキーパーが安定したらチームが安定する。小久保がいいパフォーマンスしているから、続けて使いたい。俺が監督でも使うと思う」と、支持した。

　セーブだけでなく、危険なシーンでも難なくつないだり、ビルドアップでも足もとの上手さを発揮。「めちゃくちゃ上手かったね、かわしたり。GKはこういう大きい大会で経験積んだら自信になる。大会通しても成長していると感じる」と太鼓判を押した。

　だからこそ、グループリーグ3試合のMVPは「藤田（譲瑠チマ）も良かったけど、出場時間を考慮して小久保」と、堂々の選出。新シーズンからはベルギー1部シント＝トロイデンでのプレーが決まっている。「日本が世界に勝っていくためには欧州でプレーして、GKが世界で活躍してもらいたい」と、さらなる飛躍に期待した。

［PROFILE］
安田理大（やすだ・みちひろ）／1987年生まれ、兵庫県神戸市出身。ガンバ大阪のアカデミー出身で2006年にトップチーム昇格。プロ1年目からデビューを飾り、2年目の2007年ではナビスコカップの「ニューヒーロー賞」を受賞。大会MVPも獲得した。2008年には北京五輪メンバーに選出。2011年からオランダ1部フィテッセでプレー。その後はジュビロ磐田、サガン鳥栖、ヴィッセル神戸、名古屋グランパスと国内を渡り歩き、韓国を経て、アルビレックス新潟、ジェフユナイテッド千葉、松本山雅FCとさまざまなクラブを経験。日本代表としては7試合に出場し1ゴールをマークした。