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パス成功率88%が示す“リベロ”長谷部の真骨頂 フランクフルトに安定を生む「リスク回避術」
上位躍進のチームで20試合中17試合でフル出場 頭脳的プレーで新境地を切り拓く
今季のブンデスリーガは、首位こそ4連覇中の絶対王者バイエルンだが、中小規模のクラブの躍進が目立っている。上位に顔を出しているチームの一つが、日本代表MF長谷部誠が所属するフランクフルトだ。第20節を終えた時点で3位と、来季のUEFAチャンピオンズリーグ出場権(4位以上)を狙えるポジションに位置している。
そのチームのなかでも長谷部は17試合でフル出場を果たしており、本職のボランチのみならず最終ライン中央でのプレーが増えた今季は“リベロ”もこなすようになった。1月に33歳となりながらプレーの幅を広げていくベテランMFは、ピッチ内外で抜群のキャプテンシーを発揮し、日本代表においてもいまだ不可欠な存在となっているが、今季好調のフランクフルトでどのような活躍をしているのか。データ分析会社「InStat」社のデータを使って探ってみたい。
まず、同社が保有する今季のデータから長谷部のポジションと関わりの深いデータを表にまとめた(DATA-1参照)。同社が各選手のパフォーマンスを客観的に測るために、いくつかのプレーデータを組み合わせて導き出している指標「INSTATインデックス」では、1試合平均でチーム内トップを記録。安定したプレーを見せていることが、この数値からも窺える。
1対1の局面を指すチャレンジでは、その回数が主力選手のなかで最少となった一方、成功率は2位となった。長谷部自身、積極的に体を張ってプレーをするタイプではないこともあるが、リベロなど後方センターのポジションを多く担うため、スペースを与えないためにも不要なボールへの食らいつきは避けなければならない。一方で裏を取られそうなシーンなど、味方ゴールに近いところでは奪い切る必要があるため、こういった傾向のデータとなったのだろう。