東福岡が高校二冠に好発進 チームを救った背番号「10」を背負う主将の一撃

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来季横浜M内定のエースでキャプテン

「キャプテンで背番号10を背負っているので、チームが苦しんでいる時こそ、僕が点をとらなければいけない」
 本年度の選手権のファーストゴールを決めたその少年は、りりしい表情でそう語った。東福岡のキャプテンマークをその腕に巻く、中島賢星(3年)。そして背中に背負うのは、エースナンバーの「10」である。
 30日に開幕を迎えた、第93回全国高校サッカー選手権大会。開幕戦は、福岡県代表・東福岡と、東京都代表・都立三鷹で行われた。結果は2-0で東福岡が勝利を手にした。
 インターハイ王者にも、初戦の堅さが見られた。試合開始から主導権を握ったが、シュート精度を欠き、前半を0-0で折り返す。ロッカールームに足を運ぶ東福岡の選手の表情には、いら立ちと焦りが浮かんだ。
 その今大会優勝候補の窮地を主将が救った。後半2分、左CKを頭で合わせて先制点を挙げた。中島は、その場面をこう振り返る。
「普段、セットプレーの時は外にいるんですけど、チームが苦しい状況にあったんで、思い切って中へ入っていきました」
 状況を加味し、普段とは異なるプレーを大一番で実践。緊張を解きほぐす先制弾でチームメートの背中を押した。それは、エースと、主将の両方を担うにふさわしい姿だった。
「イニエスタやジダン。ボールタッチの柔らかさを意識している」
 憧れの選手に世界の名手を挙げる中島は、既に横浜Mへの来季加入が内定している。東福岡をけん引する中島賢“星”。「星」と名の付く少年が、いずれ日本の「星」として世界に羽ばたく日がやってくるかもしれない。だが、その前に、“赤い彗星”をインターハイ、選手権の高校二冠へと導く。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

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