浦和ベテランが指摘「余裕がない」 “ヘグモ流”低調スタートの要因「探り探りな感じ」

浦和の宇賀神友弥【写真:轡田哲朗】
浦和の宇賀神友弥【写真:轡田哲朗】

今季から浦和に復帰したベテラン宇賀神友弥が現況に持論

 浦和レッズは3月5日にトレーニングを公開。ここまでの開幕2戦で勝利なく1分1敗だが、試合内容の低調さも話題に。今季から浦和に復帰したDF宇賀神友弥はゲームを見たうえで「監督がやろうとしていることを、やろうとし過ぎている感じ」という感想を受けたと話した。

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 浦和は2月23日のサンフレッチェ広島戦を敵地で0-2の敗戦でスタートしたが、6回、7回とゴールを予感させる場面はあった。しかし、ホーム開幕戦となった3月3日の東京ヴェルディ戦は、後半42分に途中出場のDF大畑歩夢がGKにセーブされたシュートが唯一の決定機に。その後にPKで追い付いて1-1の引き分けに持ち込んだとはいえ、初戦の敗戦ゲーム以上の停滞感が漂った。

 このゲームをスタンド観戦していた宇賀神は、浦和の下部組織から流通経済大学を経てトップチーム入り。今では一般的になったユース出身の大学経由トップ加入の先駆者になった生え抜きだが、2021年に契約満了で退団に。2シーズンをJ3のFC岐阜で過ごしたが、今季に浦和へ復帰していた。

 今月中に36歳を迎えるベテランは、スタンドからの観戦になったとはいえ久々の埼玉スタジアムのゲームに「外からでも、あの雰囲気を3年ぶりに感じることができたのが第一歩」と話したが、チームの戦いぶりについては難しい思いになったようだ。

 今季ペア・マティアス・ヘグモ監督が就任した浦和は4-3-3システムを導入してプレシーズンから準備してきたが、宇賀神は「監督がやろうとしていることを、やろうとし過ぎている感じに見える。どこまで1人1人が考えて行っていることだけじゃないものをピッチ上で表現していいのかも探り探りという感じもある。チームの戦術からズレすぎず、自分たちの考えたことをピッチの中で我慢しながら表現することですね」と話す。

 そうした余裕があれば生まれる好循環に、例えば「遊びのパス」という要素もある。宇賀神は「戦術の中で、今はこれをやらなきゃと。とにかく速いテンポでウイングに当てるのがあるとしたら、みんなそうなってしまうから、それだけでなく考えてリズムを作るとか、流れを見て出し入れをするとか。遊びのパスを入れて、プレスが来ないならターンするよという余裕みたいなのがないかなと。チームとして速く、速くと練習で言っているからそうなるけど、J1は組織化されていて1人1人が全力で頑張れる。ヨーロッパとの違いもあるかもしれない」と話した。

 経験豊富なベテランとしては、チームの空気感が悪い時に与える影響力も期待されるところだが、宇賀神は「この前のゲームも走る、戦うみたいなところができていないわけではない」と、その心配をする段階ではないと話す。そうした余裕を持つためにも1つ結果が欲しいところだが、少し解放された姿が見られるようになれば本来の戦術の部分も機能性を増す好循環に乗せることもできるだろう。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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