FC東京の新境地? 攻撃以上に“洗練された守備”…次世代&新加入も躍動で高まる期待
広島とトレーニングマッチで2-1の勝利
沖縄キャンプを経て、2月から宮崎に移動したFC東京が同3日、サンフレッチェ広島とトレーニングマッチ(30分×4)を行った。
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1本目にはFC東京の次世代を担う松木玖生や土肥幹太、今年からチームに加わった荒木遼太郎、そしてベテランの長友佑都などが先発。理詰めのサッカーで安定感のある戦いぶりを見せる広島を相手に、前半の2本は付け入る隙を与えない試合巧者ぶりを発揮した。
FC東京はその1本目に土肥幹太のゴールで先制する。2本目は両チームともにスコアが動かなかったが、仲川輝人やディエゴ・オリヴェイラらが出場した3本目にFC東京が追加点をマーク。背番号9のブラジル人ストライカーが決め、4本目に失点をしたものの2-1で勝利した。3、4本目は互角の展開を見せたが、前半となる1、2本目のメンバーによるプレーは内容的にFC東京が圧倒したと言える。
攻撃では松木、荒木、DFのバングーナガンデ佳史扶といった才能あるヤングプレーヤーに、新加入の遠藤渓太らが雨中戦をものともしない、スピードとダイナミックさを融合させたプレーで広島陣内へと進出し、次々とチャンスを作っていった。2点目を決めたD・オリヴェイラも全盛期の相手DFを捻じ伏せるパワーはなくなったが、FWとしてしっかりと結果を出すところは流石だった。
しかし、内容的に完成度の高いサッカーを披露し1、2本目は攻撃だけでなく、いやむしろディフェンス面に強い印象を受けた。その守備は、ボールを受けようとする広島のオフェンス陣を激しくマークし、前線での起点を作らせなかっただけに留まらなかった。
攻撃の突破口を開こうとする、広島DF陣による最終ラインでのボール回しの動きもFC東京は止めた。ボールを持った広島の選手がどの味方にパスを出すのかを素早く察知し、そこにつながれる前に反応よく詰め寄りボールを奪い取った。このプレーは反応が遅れたら、広島の選手のボールキープは続くことになる。ただ、前に立ちはだかることによって、次の動きを抑制する形はできる。
しかし、この日のFC東京はさらに相手へと踏み込み、ボール奪取に成功して広島の流れを遮断した。素早い読みと瞬発力によって生まれるプレーは実にダイナミックだった。試合巧者の広島にサッカーをさせなかった、首都チームの守備力は高く評価できる。
こうした相手にサッカーをさせないスタイルは、激しさが前面に出てしまい、荒っぽさが目につくことが多い。だが、FC東京が見せた守備には、荒々しさのなかにも無意味なファウルはそれほどなく、洗練された動きを感じた。
1、2本目で攻守に渡ってダイナミックなプレーを見せたFC東京。このサッカーがシーズンを通して見せられれば、3週間後に迎えるリーグ戦で旋風を巻き起こす存在となるだろう。