シリアの“1本のシュート”に脚光 「30億人を敗退させた」と海外メディア注目の理由は?

オマル・フリビンの決勝弾に注目【写真:ロイター】
オマル・フリビンの決勝弾に注目【写真:ロイター】

フリビンの決勝弾はインドと中国の夢を打ち砕く

 カタールで開催されているアジアカップは、1月25日にグループリーグの全日程を消化し、決勝トーナメント進出16か国が確定した。そのなかで、1月23日に行われたグループB第3戦のシリア対インドで、シリアを初の決勝トーナメント進出に導いたFWオマル・フリビンの決勝弾が注目を集めている。

 0-0で迎えた後半31分に生まれたフリビンのゴールは、対戦相手であるインドに引導を渡すとともに、3位通過で決勝トーナメント進出にわずかな可能性を残していたグループAの中国の敗退も確定させた。

 香港にベースを置く中国メディア「鳳凰網(フェニックス)」は、「1本のシュートが30億人を敗退させた」との見出しで取り上げた。

 世界人口1位、2位のインドと中国。両国の人口はともに14億人超え。インドは2022年の統計という点もあり、両国合わせて30億人を超えている可能性は十分にある。これは世界人口の半分近い数字で、「シリアのゴールは、世界人口の半分を敗退させた」と揶揄する投稿もあった。ちなみに、18年に中国とインドが親善試合で対戦した際に、中国メディアは「地球ダービー」と銘打っていた。

 逆に言えば、両国ともに人口のわりにはサッカーで存在感を示し切れていないことの裏返しでもある。シリア(人口約2200万人)は言うに及ばず、世界的には人口400万人に満たないウルグアイ、クロアチアなどは中国やインドでは一地方都市レベルだが、サッカーでは世界的な強豪国だ。

 多くのスポーツは国の人口や規模と比例するとされるが、そうでないのがサッカーの面白さと言えるだろう。

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