連覇の夢潰えた王者・東福岡に立ちはだかった予期せぬ”難敵” 勝敗の運命分けたピッチの対応力

試合の展開を分けた想定外の存在

 この日は、今年に入って最も激しいと言っていいほどの強風が吹き荒れていた。記者席の机上の荷物をも飛ばす風は、当然、ピッチにも小さくない影響を与えていた。

 前半は東福岡が風上に立ち、東海大仰星が風下の構図だった。「風下だったので、とにかく耐えることが最優先だった」と東海大仰星の中務雅之監督が言及すると、MF原田絋汰も「あの風の中の風下という状況を受けて、前半は守り切ることが最大のミッションだと考えた」と振り返り、強風の風下という状況に対し、臨機応変に対応した。

 そして後半、今度は東海大仰星が風上に立つと、DF面矢行斗が「東福岡はロングボールへの対処に隙があると分析していた」と指摘したように、幾度となくロングボールを放り込むと、風上という立場も背中を押し、チャンスを生み出していく。この展開に昨年王者は動揺を隠しきれなかった。

 

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