堂安、中村の投入で流れが一変…森保J、ピッチ上で起こった“変化” 常連組が示した意識【コラム】
堂安、中村は後半の頭から出場
森保一監督率いる日本代表は1月1日、タイ代表と対戦して5-0で勝利した。前半は新戦力を試しつつ、連動性がなかなか見られなかったなかで後半からMF堂安律、MF中村敬斗を投入。流れが変わり、攻撃力の迫力が増して5得点を奪った。“常連組”が意識していたのは今月12日から開幕するアジアカップだった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
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ハーフタイム終了直前、ピッチに背番号「10」と「13」の姿があった。堂安と中村の投入だ。前半は3人がA代表デビュー組で新戦力が多かったこともあり、先発したMF伊東純也、MF田中碧、DF毎熊晟矢ら継続的に招集されている力が目立っていた。伊東の“孤軍奮闘”も叶わず、なかなか連動性が見られなかったなかで、後半に堂安と中村が入った直後から流れが変わった。
2列目は左から中村、トップ下に堂安、右は伊東が務めた。初めての組み合わせとなったなか、オプションとして森保ジャパンの新たな武器の可能性を見せた。後半5分、中央の堂安が右サイドを駆け上がる伊東へ絶妙なパスを供給。伊東が中へ切り込み、最後はMF田中碧が決めて先制点を奪った。同27分には途中出場のMF南野拓実のシュートをGKがはじいて、詰めていた中村が追加点をゲット。2分後には堂安のコーナーキック(CK)からオウンゴールと立て続けにゴールネットを揺らし、最終的には大量得点での試合終了だった。
前半は相手のブロックに苦戦して0-0……。この展開はアジア杯本番でもあり得る。堂安は強化試合の意味合いが強かったタイ戦で“ここから勝ち切る”ことにこだわっていた。
「正直(アジア杯を)意識しながらプレーしていた。拓実くんに(パスを)出したシーンとかは、狭い局面でも質が高ければ通るというのはアジア杯でもかなり通用する。拓実くんの良さも生きるようなプレーで、長くやっていることもあるけど、良かったと思う」
堂安や南野は前回大会にも出場。決勝でカタール相手に1-3で敗れ、苦杯をなめた。背番号10は「アジアの頂点には常にいなければいけない」と言い切った。南野も同じように感じていた。
「前半0-0で折り返して、アジア杯でも、どんなに実力差がある相手でもしっかりブロックで守られたら難しい。僕らが(カタール)ワールドカップでやったような感じだから。その中で先制点が大事になるのと、後ろでディフェンスが相手を捕まえてカウンターをさせないのはチームとして大事にしていたこと。変わった選手とか、少ないなかでもビッグチャンスが来た時に決められるか。今日は上手くいったけど、それは課題にもなると思う」
タイ戦をただの親善試合ではなく、“仮想アジア杯”として意識づけできていたこと。森保ジャパンが第1次政権で積んだ経験も元日の一戦で生きたこととなる。