小野伸二、プロ生活26年を回想 天才的なテクニックは「高校生がピークだった」

現役ラストマッチを終えた小野伸二【写真:(C) mm】
現役ラストマッチを終えた小野伸二【写真:(C) mm】

Jリーグ最終節の浦和戦後、引退記者会見を実施

 北海道コンサドーレ札幌のMF小野伸二が、12月3日のリーグ最終節、浦和レッズ戦後に引退記者会見を実施。自身にとってのサッカーを「自分が自分らしくいられる時間だった」と話した。

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 静岡県出身の小野は1998年に浦和へ加入してプロデビュー。オランダの名門フェイエノールトや帰国しての浦和、ドイツのボーフム、地元の清水エスパルス、オーストラリアのウェスタンシドニー・ワンダラーズとキャリアを積んで14年に札幌入り。19年夏にFC琉球へ移籍したが、21年に札幌復帰していた。キャリア最初のクラブとなった浦和との最終戦が現役ラストゲームになる巡り合わせのなかで、札幌を率いるミハイロ・ペトロヴィッチ監督は小野をスタメン入りさせた。

 キャプテンマークを巻いた小野は浦和MF岩尾憲とのコイントスを行いキックオフのピッチへ。ファーストタッチでDF宮澤裕樹にパスを出して左のシャドーに入った。浮き球をワンタッチで味方につなぐプレーなどを見せながら前半19分、タイ代表MFスパチョークが交代出場の準備をするなかで、左45度付近でフリーキックのキッカーに。中央の味方に合わせようとしたがクリアされ、2次攻撃でもゴールに至らずプレーが切れた。そして前半22分に小野はスパチョークと交代。札幌の選手と浦和の選手が合同で花道を作り、タッチラインへ歩く小野を送り出した。

 0-2で終わった試合後の会見だっただけに、小野からは「結果が出なかったことに責任は感じています。こういう大事なゲームのなか、ミシャ監督に感謝、今日の試合に勝つためのプランがあったにもかかわらず20分という短い時間でもピッチに立たせてくれて感謝しています。久々の公式戦ですごく楽しませてもらいましたし、もう少し長くできたらと思いましたが、今日来てくれた方を楽しませられなかったこと、負けてしまったことを残念に思います」という言葉があった。

 それでもプロ生活26年、物心ついたころからのサッカー少年だったような彼にとってのサッカーとは、という質問には「自分が自分らしくいられる時間だった。たくさんの人に触れあって、自分という人間もまた成長できた」と話した。清水商業高校(当時名称)時代から全国的に才能を知られる存在だったが、「強いて言えば、高校生がピークだったと。今みたいにSNSが発達していれば、もっといいプレーが見せられた」と笑った。

 現役生活での心残りを問われた小野は、「正直、プロになる時の自分にもっともっと努力しろと伝えたい」と話す。それでも「僕のサッカー人生は終わるわけじゃないので、違う形でサッカーと触れ合っていくと思う」と話し、最後までにこやかな笑顔を浮かべながら会見を終えていた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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