「(内田)篤人も感じていなかった」 遠藤保仁が回想する2011年アジアカップ決勝の“キープレー”

遠藤保仁がアジアカップを回想【写真:Getty Images】
遠藤保仁がアジアカップを回想【写真:Getty Images】

左で崩して、前田・岡崎で仕留める形が確立

 日本代表は2024年1月に開幕するアジアカップで、2011年大会以来の優勝を目指す。2011年大会の優勝メンバーであるジュビロ磐田の元日本代表MF遠藤保仁が、元日本代表DF内田篤人氏がホストを務めるスポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida’s FOOTBALL TIME」でインタビューに応じ、12年前の大会を振り返った。

 2010年8月にアルベルト・ザッケローニ氏が監督に就任していた日本代表は、決勝でオーストラリア代表に延長の末に1-0で勝利して、通算4度目の優勝を果たした。しかし、グループリーグ初戦のヨルダン戦に1-1で引き分けると、続くシリア戦ではGK川島永嗣が退場。その試合をなんとか2-1で勝ち切り、第3節サウジアラビア戦に5-0で勝利するなど、厳しい戦いを強いられていた。遠藤は「冷静に戦えた。2戦目も結構、際どい感じでした。ただ、90分を通しては冷静に慌てることなく戦えたんじゃないかな」と、この時を回想した。

 そして、「チームが成長したというよりは、ザッケローニ監督が求めているものを少しずつ吸収して、表現できていったのかなと思っています。本田(圭佑)、香川(真司)、長友(佑都)、僕もどちらかと言うと左のボランチが多かったので、僕も絡みながら左で崩して、前田遼一、岡崎慎司あたりで崩す形が確立されたかなと思います」と言い、「あの左サイドはアジアで一番だったかなと僕は思っています」と胸を張った。

 決勝戦では、延長後半4分に左サイドから遠藤の縦パスからチャンスが生まれる。「行けっていう感じ。勝負しろという感じです」という遠藤のパスを受けた長友が縦に仕掛け、クロスを上げるとこれを途中出場したFW李忠成がボレーで合わせ、決勝ゴールを決めた。

遠藤が明かした決勝戦での重要な「スライディング」

 このゴールを「とても嬉しかった」という遠藤だが、試合の最後の局面で忘れられないスライディングがあった。FW岡崎慎司がペナルティーエリアのすぐ外でハンドをし、相手にFKを与えてしまう。そのシュートが壁に当たり、こぼれたところから2次攻撃を仕掛けられた。相手がクロスを入れようとした時に、遠藤がスライディングを仕掛け、このボールをブロックした。

 この時、遠藤は高く飛んでスライディングをしていた。「これね、結構ジャンプして、上に足を上げていると思うんですけど、これには実は理由があるんです。下のボールは大丈夫だと思っていたのですが、上にボールを上げられるとオーストラリアのほうが身長が高い。それでわざとちょっと上にジャンプして、一応、ボールに当たったんですけど、そういうクロスを上げさせないようにという意味合いで、ああいう感じのスライディングになった」と説明。そして、「たぶん、そこまで見ている人はいないと思います。それは(内田)篤人も感じていなかったと思います」と、冗談を交えて知られざるファインプレーについて解説した。

 そんな遠藤だが、5度目の優勝を目指す森保ジャパンにも「今、選ばれている選手たちはほとんどが海外で活躍する選手たち。アジアカップだったり、アジアでの経験が少ない選手も多いと思うので、いろいろなアクシデントもあるかもしれないので、それにしっかり対応しながら、冷静に戦うことだと思います」と、勝つうえで必要なポイントを伝えた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング