VAR交信「5分」…福岡×横浜FM戦のノーファウル判定に元主審&元選手が見解「疑わしきは罰せずが大原則としてある」

際どい位置での接触で倒れた福岡の山岸祐也【写真:Getty Images】
際どい位置での接触で倒れた福岡の山岸祐也【写真:Getty Images】

元選手の青木剛氏と坪井慶介氏、家本元主審が見解

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、10月28日に行われたJ1リーグ第31節アビスパ福岡と横浜F・マリノスの試合が取り上げられ、接触プレーがファウルか否かが議論された。

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 ここでは後半37分、福岡のFW山岸祐也がパスを受けながらペナルティーエリア内に入ろうかという場面で横浜FMのMF吉尾海夏と接触。山岸は倒れ込んだままになり、継続されたプレーを小屋幸栄主審はホイッスルで止めたがファウルの判定ではなく、負傷の治療のため。PKあるいは決定的な得点機会阻止(DOGSO)にあたる可能性のある場面であり、岡部拓人ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)と小屋レフェリーが交信。約5分間の交信の末にオンフィールドレビューはされず、ノーファウルの判定のままだった。

 ゲスト出演した現役時代に鹿島アントラーズなどでプレーした青木剛氏は「すごく微妙なところだと思いますが、僕がよく思うのは、攻撃側の選手が倒れるのはシミュレーションではない限り接触があるからだと思う。タイミング的には、接触で倒れたのではないかと。DF側としても、足を出してしまったと思うシーンかもしれない。先にボールをつつこうとした時に相手のほうがスピード感があった」と、ファウル寄りの考えを話した。

 同じくゲスト出演した元日本代表DF坪井慶介氏は、「5分かかったんですよね。だったら、オンフィールドレビューしてよというのが僕の思い。そんなに時間がかかるなら、VAR側から一旦見てというのがあっていい」と、主審とVARの間での交信時間の長さに疑問符を付けた。プレーについては「おそらく接触はある。ただ、DFの意見からすると吉尾選手はボールにプレーしようとして、ヤバいと思って右足を振り切っていない。止めている。そこまで足が痛むような衝撃ではなかったと思う。山岸選手も少し右足を残している。ただ、足を踏んでいるとなると。ここを見ると、ファウルですね」と話した。

 一方で、アップになった映像で吉尾の足が接触したのがペナルティーエリア外だった場合はVARが介入できるのかという問題点も浮上した。坪井氏は、ペナルティーエリア内かどうかは「外」と即答したが、「5分かかるなら介入してよというのが選手の意見」ともコメントした。

家本氏は「5分はかけすぎではないか」と言及

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、山岸にパスが入る前でFWウェリントンが接触プレーで倒れた場面と合わせ、「2つともフリーキック(ファウル)です」と、試合中の判定とは異なる見解を示した。

 そのうえで「レフェリーがたまたま串刺しで、コンタクトが小さいので2つとも把握できずに拾われなかった。(吉尾の)かかとが山岸選手の足に当たるのは、ラインの際よりも外なのかなと。よく見ると太もももコンタクトがあるように見える。それはラインのどちらかなと。(ペナルティーエリアのライン上にある)オフサイドカメラを現場では使ったと思うけれども、疑わしきは罰せずが大原則としてある。ペナルティーエリア内とはっきり言えない限りは。ただ、5分はかけすぎではないか」と話した。

 VARとのやり取りについて家本氏は、「映像上はフリーキック(ファウル)だが、ハッキリとペナルティーエリア内のファウルだと実証できないと介入できない。そうなると、オンフィールドレビューができない」として、「(ペナルティーエリアの)外かつDOGSOではないので、VARは介入できない。だから、レフェリーはドロップボールでの再開になった」と、現行のルールとVAR運用ガイドラインについて解説していた。

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