広島VS名古屋、PK献上シーンは「レッドカード」 警告判定を識者が疑問視「映像を見る限りはDOGSO」
「Jリーグジャッジリプレイ」で検証
スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、9月30日のサンフレッチェ広島と名古屋グランパスの試合が取り上げられた。ここでは、PK判定後のカードはどちらが妥当かが議論された。
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後半31分の広島の攻撃で、最終ライン背後に抜け出したFWドウグラス・ヴィエイラがDF河面旺成に後ろからユニフォームを引っ張られて転倒。上田益也レフェリーはPKとイエローカードの判定を行ったが、御厨貴文VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)は、ボールにチャレンジしていないプレーかつDOGSO(ドグソ/“Denying an Ovious Goal-Scoring Opportunity”の略。決定的な得点機会の阻止)によるレッドカードの可能性があるとして介入。オンフィールドレビューを行った結果、当初の通りイエローカードの判定だった。
ゲスト出演した林陵平氏は「レフェリーの方がDOGSOの4つの要件の、ボールをキープできる、コントロールできるところでGKも出てきているので退場にしなかった」と見解を話し、河面については「ボールに行っていないと思う」と話した。同じくゲスト出演した南葛SCの今野泰幸は「河面選手はやられたという思いが強くて引っ張っている。決定機阻止だと思う」とコメント。そして「ボールへのチャレンジではない」と話した。
DOGSOに関しては今夏、ボールに向かってチャレンジしたことで反則した場合、反則した競技者は警告されるとルールが変更されている。
元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は「僕の結論はレッドカード。争点はボールをコントロールできる可能性。河面選手は明らかにボールにチャレンジしていないので、競技規則の改正ではないシーン。VARが入った理由はハッキリした明白な間違いと介入して、レフェリーはいいポジションで見ていて状況は分かっている。映像で見るとボールはコントロールしていないけど、ダイレクトでチョンとシュートを打てる。それは決定的な得点機会を阻止したと言えるとVARが介入した。それは適切な判断だと思う。レフェリーは現場でも映像を見ても、その絶対的な判断に至れないと解釈した。それも分からなくはないけど、映像を見る限りはDOGSO成立だと思う」と話した。
また、家本氏は「決定的な得点『機会』の阻止なので、ボールがゴールにイージーに入るかが論点ではないこと。GKがすぐにチャレンジできないから違うと考える人もいるかもしれないけど、そこでの明らかな機会が決定的かそうでないか、なので、得点が生まれる可能性ではないということ」と、競技規則の解釈について話した。家本氏は「得点の可能性ではなく、機会とされている」としていた。一方で、大多数のレフェリーがレッドカードと判断するかというと疑問をつけ、割合はレッドカードのレフェリーが多いものの、そう判断しないレフェリーも多いと話す。
林氏は「河面選手が引っ張っているから、ボールをキープできないようにも見える」と話し、家本氏は「ホールディングは起点と終点があって、起点を見るべき。起点で(映像を止めると)シュートを打てそうに見える」と、判定のポイントを説明していた。