Jトップクラブ経営規模「ベンフィカやアヤックスくらいに」 “30年プラン”をリーグ説明

(写真はイメージです)【写真:小林 靖】
(写真はイメージです)【写真:小林 靖】

「次の30年に向けて」Jリーグの包括的議論を説明

 Jリーグは9月26日に理事会を実施し、終了後に記者会見が開かれた。シーズン制の移行について、Jリーグからは「次の30年に向けて」という包括的な議論も同時に進めていることが説明された。

 Jリーグでは秋春制へのシーズン移行について議論されている。その背景にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が秋春制に完全移行したことや、クラブ・ワールドカップ(W杯)が4年に1回、世界から32クラブを集めて行う形式になったことなど外的な要因もあることが説明された。

 そのうえで、樋口順也フットボール本部長からは「Jリーグの目指す姿と、それを実現するための最適なシーズンの検討。これまでさまざまなことを実現してきたJリーグだが、サッカーの世界で中心的なヨーロッパでは、30年前にJリーグと経営規模の変わらなかったプレミアリーグが大きく成長するなど、差が広がっている部分もある。グローバルスポーツなので、日本だけにとどまらず世界との戦いは避けられない。100年構想をベースに、次の30年の成長を考える。10年スパンで目指すべき状態を設定したい」という説明があった。

 また、細部では今後スタートするACLエリートにJリーグからの出場枠が現状で3クラブであることと、「4年に2回優勝してクラブW杯に2クラブを送り込みたい。出場3クラブが毎年ベスト8以上に入るように。次の大会の枠も変わる。8強以上のセントラル開催に行く東地区4チームのうち3チームを占めたい。クラブW杯ではベスト8以上を目標に。トップクラブの経営規模を200億ほど、例としてベンフィカやアヤックスくらいに持っていく。今のトップは浦和の80億円ほど。海外からの移籍金収益の増加、2桁億円の移籍金を獲得できるように」という目標が話された。

 それに加え、日本代表との関連では「数字目標では、Jリーグの選手の割合を30%くらいにできるようにしたい」とした。また、Jリーグクラブの経営規模については直近10年の目標を1.5倍から2倍の成長として、「10年前を振り返れば、J1は1.5倍、J2は1.8倍、J3は8年だけど2倍くらいの成長を達成してる。フェーズが変わるなかでも成長したい」と話した。

シーズン移行について「感情的になることはなくなってきている」

 シーズン移行について、現段階は財源を踏まえた確認や議論が各クラブの参加する分科会でも行われている段階とされた。クラブが経営危機に陥った場合、災害に対応する財源も含まれるJリーグの内部留保が2022年決算時点で73億円ほどあることを踏まえて、降雪地域に対する練習環境の整備などの費用など項目設定も進めていると説明が行われた。

 野々村芳和チェアマンは「改めて、長年話し合われてきているもので、もともと変えたほうが良いと思う人もそうでない人もいるもの。そういう問題に対して、感情的になることはなくなってきている。いい形で話し合いはできている。シーズンを変えることが目的ではなく、日本サッカーがどうなっていくのが望ましいのかと。それを認識してもらえるように話を進めている。すべての人とは言わないけど、より多くの人が日本サッカーを成長させるために自分が何をできるのかという感じになっている。より多くの人と、こういう話をしていくのは絶対にいいこと」と、現時点での話し合いから得ている感触を話していた。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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