森保ジャパン「3年後“最強”メンバー」大胆予想 三笘&久保らが主軸…細谷、藤田のパリ世代、18歳後藤の台頭も期待【コラム】
3つの条件を設けて3年後の2026年W杯メンバーを独自予想
森保一監督率いる日本代表は、9月の欧州遠征(対ドイツ代表/4-1、トルコ代表/4-2)で2連勝を飾った。6月シリーズを含めた直近の4試合で18ゴールを奪い、いずれも勝利を奪って見せた戦いぶりは特筆に値する。ポジション争いは激化し、2列目に関してはかつてないほどの選手層を誇っているとも言えそうだ。
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昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)を経て、次大会となる2026年北中米W杯まですでに3年を切っている。とはいえ今からそのメンバーを予想するというのは極めて難しい。第2次森保ジャパンはチームとして順調に成長し、選手個人も所属クラブでパフォーマンスを伸ばしており、そのエビデンスがドイツ戦とトルコ戦で示された。
三笘薫や久保建英など、年齢的にも伸び盛りの選手が多く、30歳のキャプテン遠藤航なども所属クラブのステージを上げていることを考えると、現時点で3年後のメンバー外は予想しにくい。9月の2試合、とりわけドイツ戦の評価に引っ張られると、現在とあまり変わらないメンバー構成になってしまう。
しかし、例えば2019年夏時点で三笘や田中碧はトゥーロン国際大会(現モーリス・レベロ・トーナメント)に参加しており、鎌田大地もA代表に選ばれて間もなかった。そうしたことも踏まえて、以下3つの条件を設けて2026年のメンバーを独自予想してみたい。
▼3つの条件
【1】:カタールW杯組は10人まで
【2】:9月欧州遠征メンバーは13人まで
【3】:パリ五輪世代(28年ロス五輪世代も含む)から9人以上
【1】の条件に関しては、2018年ロシアW杯から4年後のカタールW杯メンバーに残ったのは6人(川島永嗣、酒井宏樹、吉田麻也、長友佑都、遠藤航、柴崎岳)だった事実が基準。26年W杯まで森保監督が続投するとして話を進めると、カタールW杯から現体制が継続であること、主力の平均年齢や枠が23人から26人に増えたことを考えて、もっと増える可能性は高いが、目安として10人にした。
(予想メンバー)
三笘薫、遠藤航、久保建英、板倉滉、冨安健洋、守田英正、鎌田大地、伊東純也、伊藤洋輝、上田綺世
【2】の条件はW杯本大会から時期を逆算して、第1次森保ジャパンの2019年6月(トリニダード・トバゴ戦、エルサルバドル戦)招集メンバーから考察。この顔ぶれを振り返るとシュミット・ダニエル、冨安健洋、長友佑都、酒井宏樹、柴崎岳、守田英正、権田修一、南野拓実、堂安律、伊東純也の10人がカタールのメンバーに選ばれている。
(予想メンバー)
三笘、遠藤、伊藤洋、久保、板倉、冨安、菅原由勢、守田、鎌田、伊東、大迫敬介、伊藤敦樹、上田
【3】に関しては、若手タレントのさらなる台頭を期待しての人選だ。東京五輪世代でカタールW杯のメンバーの選ばれたのは板倉、冨安、伊藤洋、田中、堂安律、久保、町野修斗、相馬勇紀、前田大然、三笘、上田綺世の11人。怪我で辞退した中山雄太を入れると12人となる。そのなかで久保だけは年齢的にパリ五輪世代だが、東京五輪世代が豊作だったとしても、パリ五輪世代から10人は入ってきてほしい。
(予想メンバー)
久保、斉藤光毅、細谷真大、藤田譲瑠チマ、野澤大志ブランドン、佐藤恵允、鈴木彩艶、内野貴史、後藤啓介、髙橋仁胡
ここまでのメンバーで構成すると22人になる。残る4人をパリ五輪世代に縛られず【1】と【2】に当てはまらない選手からポジションのバランスも考えて満田誠、アペルカンプ真大、渡辺剛、もう1人は復活に期待して中山を加えたい。
バルサ髙橋、磐田FW後藤ら10代タレントがA代表へ食い込めるか
3つの条件から導き出した予想メンバー26人を4-2-3-1システムに当てはめて組んだが、4-1-4-1はもちろん現在オプションとして使っている5-4-1(森保監督は3バックと主張)にも対応できるメンバーだ。
もちろん有力候補として名前が浮かびながら、泣く泣く入れられなかった選手は少なくない。カタールW杯の追加メンバーに選ばれたものの、出番がなかった町野はドイツ2部ホルシュタイン・キールの厳しい環境で奮闘しており、どこかで絡んでくるはず。オランダ1部NECナイメヘンに身を投じた小川航基などもそうだ。
フランス1部ASモナコで大活躍している南野拓実も今回は条件を絞り込んだ結果で選外としたが、代表復帰は時間の問題だろう。現在10番を背負う堂安も今回は【1】の言わばプロテクト枠から外したが、2列目に実力者や期待の若手が多いなかで、そうした競争を糧にパフォーマンスを上げて、主力に生き残ってほしい願いも正直ある。
Jリーグからも9月のトルコ戦でデビューし、いきなりアシストを記録した毎熊晟矢を良い刺激として、どんどん森保ジャパンに名乗りを上げてほしい。3月の活動に選ばれた名古屋グランパスの藤井陽也や鹿島アントラーズで主力に定着している佐野海舟といった2000年生まれの“谷間の世代”にも期待したい。
また森保監督も日本サッカーの課題に挙げているように、若手の台頭は森保ジャパンのさらなる飛躍に不可欠だ。また海外組でも欧州に限らず、W杯開催地となる北米のMLSバンクーバー・ホワイトキャップスで活躍中のGK高丘陽平、アジア大会に招集されたブラジル挑戦中のグレミオ・ノヴォリゾンチーノMF松岡大起なども、A代表の候補になってくると期待している。
今回の予想メンバーではスペイン1部FCバルセロナフベニールA所属の18歳DF髙橋仁胡が最年少(2005年8月17日生まれ)で、北中米W杯の大会時に20歳。ジュビロ磐田所属の18歳FW後藤啓介(2005年6月3日生まれ)が開幕前に21歳の誕生日を迎えるが、10代でA代表に食い込んでくるようなタレントが出てきたら面白い。その意味で今年11月にインドネシアで行われるU-17W杯から、かつての久保がそうであったように、どんどん飛び級で上の代表に入ってくる選手が出てきてほしい。
(河治良幸 / Yoshiyuki Kawaji)
河治良幸
かわじ・よしゆき/東京都出身。「エル・ゴラッソ」創刊に携わり、日本代表を担当。著書は「サッカーの見方が180度変わる データ進化論」(ソル・メディア)など。NHK「ミラクルボディー」の「スペイン代表 世界最強の“天才脳”」を監修。タグマのウェブマガジン「サッカーの羅針盤」を運営。国内外で取材を続けながら、プレー分析を軸にサッカーの潮流を見守る。