「中国は日本に学べ」 成長著しい日本に海外注目、長期的計画を評価「Jリーグの成功が証明している」

日本代表の成長に注目【写真:ロイター】
日本代表の成長に注目【写真:ロイター】

「スキャンダルに見舞われた中国は日本に学べ」

 日本代表は、9月の国際Aマッチウィークでドイツ代表(4-1)、トルコ代表(4-2)を下した。2022年に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)以降、森保一監督が続投するなかで順調に成長を遂げている日本に対し、同じアジアの香港メディアが「スキャンダルに見舞われた中国は日本に学べ」と報じている。

 日本は昨年のカタールW杯のグループリーグでドイツ、スペイン代表を破り決勝トーナメントに進出。PK戦の末、トーナメント1回戦のクロアチア代表に敗れてしまったが、強豪を苦しめた日本は注目を集めた。

 大会後、続投が決まった森保監督の下で代表は新たに若い選手を加えつつチームを再編成している。6月の代表2戦を含め、直近4試合で18得点という強さを示す。そんな日本に対し、香港の英字紙「South China Morning Post」が中国の衰退について日本を引き合いに報じている。

 同紙は「中国が2026年ワールドカップの夢を持ち続けるためには、改革が必要なのは明らかだ」と警鐘を鳴らしつつ、「隣国の日本と韓国は昨年のカタールW杯で素晴らしい結果を残した。特に、アジアでトップクラスのサッカー国である日本は、かつてW杯で優勝した2か国を破っている」と同じアジアの日本と韓国の躍進に注目。「多くの中国人は、中国サッカーがなぜここまで遅れをとってしまったのか不思議に思っている。おそらく、日本の経験が教訓を与えてくれるだろう」と日本の成長について探った。

「1991年、日本のサッカー界は、間違いなく現在の中国サッカー界と同じような位置にあった」と、当時のスタートラインは同じだったと指摘し、「日本サッカーはプロリーグを成功させた。日本サッカー協会は長期的な視点に立ち、W杯優勝を目指してJリーグを再編成するという野心的な計画を立て始めた」と、国内リーグへの長期的計画について触れている。

 そんなJリーグがほかのアジア諸国のリーグの違いとして、「ユース育成に力を入れていること」を挙げた。

「Jリーグの各クラブはユースの育成に力を入れ、15歳以下と18歳以下のチームを持たなければならない。トップチームには少なくとも2人の自国出身選手と1人の21歳以下の選手を含まなければならない。若手選手の育成に成功しているクラブには、より多くの資金が集まる」

 また「Jリーグはまた、どのクラブにもブランドや企業名を認めないことで、良好なガバナンスを推進している」と、その利点も列挙。「企業は、私利私欲のためにクラブとの関係を操作できないことを理解して投資する。これはクラブが長期的なビジョンを持つことを奨励し、企業腐敗の可能性を減らす」と伝えている。

 こうした点を踏まえ、同紙は「中国スーパーリーグに投入された巨額の資金は、実質的なインパクトはほとんどない。もし中国の優秀な選手たちが、地元リーグの信じられないような金銭的インセンティブに満足し、海外で経験を積むことができなければ、2050年までに世界のサッカー大国になるという中国のビジョンに深刻な打撃を与えることになるだろう」と中国の不安な点考について考察した。

「日本サッカーの成功に欠かせない吉田麻也や本田圭佑は、Jリーグで育てられたが、イングランド・プレミアリーグなど海外でも一流の経験を積んだ。中国サッカーは、日本のJリーグの成功が証明しているように、国内リーグを徐々に改善する方がはるかに有益である。地元の人々による地元の人々のための強力で持続可能なリーグがなければ、中国サッカーがW杯での成功に向けた長征を完遂することはないだろう」

 同紙は中国の停滞を国内リーグの差に結び付けた。日本の成長の基盤として、「Jリーグ」の価値が同じアジア諸国で高い評価を受けているようだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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