惨敗ドイツの“緩慢プレー”に批判集中、日本代表OBが指摘「『気を抜いてんじゃねえよ!』という感じだろう」【見解】

ドイツ代表のアントニオ・リュディガー【写真:Getty Images】
ドイツ代表のアントニオ・リュディガー【写真:Getty Images】

【専門家の目|金田喜稔】久保の突破に遅れた反応「試合を投げてしまったような対応」

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、9月9日(日本時間10日)に敵地でドイツ代表(同15位)と対戦し、4-1で快勝した。「天才ドリブラー」として1970年代から80年代にかけて活躍し、解説者として長年にわたって日本代表を追い続ける金田喜稔氏は「まさに覇気がないドイツ」と評し、DFアントニオ・リュディガーの対応について「ファンからすれば、『気を抜いてんじゃねえよ!』という感じだろう」と指摘している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 金田氏は「久保の突破に対して、ドイツ守備陣の対応が明らかに遅れた。特にスピード自慢のアントニオ・リュディガーも、ちょっと試合を投げてしまったような対応をしていた」と語る。

 その場面は、日本が2-1とリードして迎えた後半45分のシーンだ。ハイラインを敷いて攻勢を強めていたドイツだったが、日本陣内でDFアントニオ・リュディガーからパスを受けたMFロビン・ゴセンスがMF久保建英のプレスを受けてボールをロスト。久保がドリブルで持ち込み、最後はフリーで走り込んでいたFW浅野拓磨がゴールを決めた。

 リュディガーは全速力でゴール前に帰陣せず、ややスピードを落としたランニングで追いかけてゴールを見届ける形となったなか、金田氏は「批判を浴びてもおかしくない」と見解を示す。

「もちろん試合の終盤で疲労の蓄積もあったはずだが、それでもこれでゴールが決まれば決定的という大ピンチのシーンで、リュディガーのあの緩慢なランニングでは批判を浴びてもおかしくない。特にドイツのファンからすれば、『気を抜いてんじゃねえよ!』という感じだろう。どこか諦めがなければ、ああいうプレーにはならない。強豪レアル・マドリーでプレーしているとはいえ、この日は明らかに精彩を欠いていたし、最後までプレーに余裕がなかった」

 最終的に日本が4-1と勝利したなか、不安定な最終ラインの状態が優位に働いたと金田氏は分析する。

「攻撃面で怖かったのは(レロイ・)サネぐらいで、(セルジュ・)ニャブリや(カイ・)ハフェルツはまったく脅威になっていなかった。またドイツの最終ラインは終始不安定で、リュディガーだけでなく、(ニコ・)シュロッターベックと(ニクラス・)ズーレも低パフォーマンスだった。特に左サイドバックのシュロッターベックは対応が甘く、あれで日本の右サイドが優勢を保てたという側面は確実にある」

 ホームでまさかの惨敗を喫したドイツ代表は批判を浴び、ハンジ・フリック監督が9月10日に解任された。金田氏は「まさに覇気がないドイツという感じで、監督との関係も上手くいっていなかったのだろう。そうしたネガディブな要素がピッチに出ている印象を受けた」と総括した。

金田喜稔

かねだ・のぶとし/1958年生まれ、広島県出身。現役時代は天才ドリブラーとして知られ、中央大学在籍時の77年6月の韓国戦で日本代表にデビューし初ゴールも記録。「19歳119日」で決めたこのゴールは、今も国際Aマッチでの歴代最年少得点として破られていない。日産自動車(現・横浜FM)の黄金期を支え、91年に現役を引退。Jリーグ開幕以降は解説者として活躍。玄人好みの技術論に定評がある。

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