森保ジャパン、選手の言葉から紐解くドイツ戦の“共通認識” テーマは「ボール保持」と「トライ」【現地発】

ドイツ戦に挑む日本代表【写真:Getty Images】
ドイツ戦に挑む日本代表【写真:Getty Images】

日本代表はドイツ代表とカタールW杯以来の再戦を果たす

 日本代表はドイツ・ヴォルフスブルクで9日(日本時間10日)、国際親善試合ドイツ代表戦に臨む。5日の練習では森保一監督は冒頭15分を非公開にし、残り時間を公開。公開された練習では約1時間選手は汗を流した。ここまで練習2日間を終えて、選手たちはカタール・ワールドカップ(W杯)以来となる強敵との再戦に向けてどのような共通認識を持つのか。練習後の言葉から紐解いていく。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 記憶に新しいカタールW杯での勝利から約10か月。再戦の時が訪れる。ドイツとの一戦を前に森保ジャパンは士気を高めていた。9月4日の練習初日から26人全員が集合して、アウェー・ドイツで汗を流した。大舞台では白星を掴んだ日本代表だが、MF三笘薫が「ドイツに2回勝ったらヨーロッパからの目だったり、世界から目も変わってくる」と話すように、敵地で戦うことに大きな意味を持つ。そのなかで、選手はドイツ戦をどのように捉えているのか。

 まずW杯では、前半に相手の勢いに押された展開となった。耐える時間が多いなか、少ないチャンスをものにして勝利につなげた。今回は「攻撃的に自分たちがボールを握ったり、ゴール前に入っていく回数を増やしていかないといけない」(守田英正)と、“自分たちの形”が出せるように「どんどんトライしていくこと」(板倉滉)が必要になってくる。

 もちろん、簡単な展開にはならないだろう。ドイツはカタールW杯後、5試合の国際親善試合で1勝1分3敗と“危機的状況”に陥っている。ホームで日本相手に2連敗は絶対に避けなければいけないというなか、親善試合ながらも緊迫した雰囲気が漂うことになるだろう。

「向こうがリベンジのような気持ちを持ってアグレッシブにくると思うので、それを受けるのではなく、自分たちも何かこう成長するという意気込みを持ちながら、課題に向かって戦っていくべき」(守田)

 そのなかで、MF鎌田大地はある程度割り切って展開を予想して戦う必要性を説いた。

「自分たちがそうやって(ボールを持って攻撃)しようとしても相手の勢いがすごかったり、相手の本拠地だし、難しい。もちろん自分たちはできるだけそういうふうにならないようにというのは取り組みますけど、なっても仕方ない部分はある。それをゼロで終われるかが一番大事」

 ドイツ1部シュツットガルトでプレーするDF伊藤洋輝も「やっぱり局面、局面のバトルは激しくなると思うし、まずはそれぞれの選手が1対1で負けないということをまずベースとしてやってかないといけないと思う。そのなかで組織としてどれだけ効率良く、90分通してやっていくかというところをこれからも確認してやっていきたい」と、一方的な展開にならないように球際の勝負で勝ち切ることからチャンスを演出するイメージを描いた。

 DF冨安健洋も「より個人戦術で勝負する機会が増えると思う。そこの部分で整理するというか、自分が何ができるのかっていうところは、また確認したい」とドイツ戦を位置付ける。

 日本代表にとっては、やはり難しい一戦となることは間違いないが、ここでどれだけボールを保持してチャンスにつなげられるか。その成長ぶりが大きな見所の1つとなるだろう。

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