Jオファーなし→工場アルバイト経てACL浦和戦に感慨 27歳で「ようやくプロ」苦労人の日本帰還

理文でプレーする立花稜也【写真:Getty Images】
理文でプレーする立花稜也【写真:Getty Images】

DF立花稜也、香港クラブの一員としてACLプレーオフで浦和と対戦

 2023-24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)本戦出場を懸けた8月22日のプレーオフで浦和レッズ戦に臨んだ理文(香港)には、日本人選手が所属している。岐阜工業高校出身のDF立花稜也は、プロサッカー選手になる夢を叶えるために日本を飛び出し、紆余曲折の末にこの舞台に辿り着いていた。

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 岐阜工では2年時と3年時に全国高校サッカー選手権に出場した。3年時にはゴールも記録したが、Jリーグクラブからのオファーはなかった。家族との会話の中で「海外」という可能性に目を向け、モンテネグロへ。初歩レベルの英語すら怪しいなかでの挑戦は2部リーグからのスタートで、食事と住む場所こそ保証されたものの実質的な無給状態から。オフシーズンに帰国しては工場のアルバイトなどで資金を作ってシーズンに合わせて渡欧するような生活だったという。

 モンテネグロで3クラブを渡り歩きながら最終的には1部リーグでプレー。それでも生活に関する保証のほかは日本円で月に10万円あるかないかの薄給だったと話す。そうした中で、昨シーズンから理文へ。「香港を選んだ理由に長くサッカー選手をしたいというのもあって、30代後半でもプロでやっている外国人選手が多い」という選択は、「ようやくサッカーで生活できる、プロと呼べるような状態になった」という変化も得られたのだという。

 そうしたなかで迎えたこの日本での公式戦には、家族や友人も訪れた。ウォーミングアップで入場した時点から浴びせられる浦和サポーターのブーイングに「正直、楽しみにしていましたね。圧はすごく感じて、そうだよね、埼玉スタジアムでやるのはこういうことか、と。こんなに大勢の中でプレーできるのは楽しかった」と笑顔。左ワイドでフル出場して対面したのは浦和の主将DF酒井宏樹だったが「本当にテレビで見ていた選手。もともとサイドバックではなかったので、やり始めた時に参考にして勉強しました。本当にオーラがあった」と話した。

 試合は立ち上がり6分までに2失点して大勢が決してしまった。「立ち上がりに委縮して、後手後手になってしまったけれども、そこで仕留めてくるのがすごいなと。個人的にはアジアトップの実力を知れて、まだまだだと再確認できた。27歳でそこまで若くないけど、浦和の選手に追い付けるように頑張りたい」と、最終的に0-3で敗れた試合を振り返った。

 試合翌日の午後には香港に戻るが、その前には家族との時間も作れる予定だという。ミックスゾーンでは日本の報道陣に最後まで取材対応をしていたがクラブスタッフも微笑みながら見守り、清々しさも感じさせる表情でスタジアムをあとにしていった。

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