名古屋×新潟での相手選手踏み付けプレー、元選手が指摘した「ルールとは別のモラルやマナー」とは?

名古屋対新潟の踏みつけ行為を検証(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】
名古屋対新潟の踏みつけ行為を検証(写真はイメージです)【写真:徳原隆元】

ジャッジリプレイで坪井氏、山岸氏、家本氏が見解

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、8月5日に行われたJ1リーグ第22節、名古屋グランパスとアルビレックス新潟の試合が取り上げられた。ここでは、プレーがレッドカードに値するかが議論された。

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 前半32分、新潟がペナルティーエリア内まで進出してDF田上大地がシュート。これをGKランゲラックがセーブしたが、この後にシュートブロックに入るも間に合わずMF野上結貴がピッチに横たわっているところを田上が踏む形になってしまった。現場ではファウルの笛はなかったが、松尾一VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)の進言により、退場の可能性があるプレーとして山本雄大主審が映像を確認するオンフィールドレビューを実施。この結果、田上にはイエローカードが提示された。

 ゲスト出演した元日本代表DF坪井慶介氏は、「映像を見れば見るほど、良くない方向に見えてきてしまうものの1つかなと思う」とコメント。そして「田上選手がすぐに謝っているのを見ても、わざとではないとまず信じたい。そして、このシーンだけ見ると『踏んでいるだろう』と言われてもおかしくないような感じはしてしまう。イエローカードの判定が出たので、レフェリーや状況次第ではレッドカードが出てもおかしくなかったのではないかと思う。サッカー選手は鍛えているので、このシーンでジャンプしてかわす、止まることはできると思う。避けられないシーンではなく、もう少し大きく避けられるシーンではなかったかと思う」と話した。

 同じくゲスト出演した元GK山岸範宏氏は「(田上が)避けられたというのがある。ボディーバランスが崩れていないので、またいだり、前に飛んでしまったり、お互いに怪我をしないように受け身を取るように飛んでしまうことができたのではないか」と話した。そして、GKとしての経験から「1対1になって接触がありそうになれば、GKは避けるわけにいかないのでFWが飛んで身体を逃がしてくれるというのが、ルールとは別のモラルやマナーとして、リスペクトの部分で必要だと思う」として、接触した場合に故意であるかどうかは間合いで分かるものだと話した。そして、自分が主審ならという観点での質問に「赤(レッドカード)を出すと思う」とした。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は事実と主観の話として、「客観的な事実は飛んで、足が下に落ちて踏んだ。力の程度は計れないが、それは事実。一連の流れが退場に値するか、そうでないのか。VARは映像を見て確認はすぐにできる。レフェリーは、シュートの場面の流れなので視野に入っているが認識できない。目の前と思われるかもしれないが、意外と正確に情報をキャッチするのは難しい」と状況を分析した。

家本氏は「レッドカードを出すレフェリーも十分にいる」と指摘

 そして家本氏は、競技規則上の扱いについて「意図があるかどうかは分からないので、競技規則からは外されている。事実や程度をどう主観的に主審が感じたかなので、VARは悩みながらも(確認を)推した。理由は主審に見えていなかった。程度としてイエローカード以上とは間違いなく言えるので」と説明。主審の判断の理由に関して「一連の流れの中で乱暴な行為にあたるとは判断しなかったのでしょう。ただし、レッドカードを出すレフェリーも十分にいるなという印象」と見解を示した。

 また、家本氏は田上のリアクションについて「シュートを打って、当たって跳ね返っているので意識はそちらに行っている。あ、外れたという時に(視野に)急に入ってきて、顔は見ているけど、避けようというよりも意識は(ボールに)いっている。気が付いたら避けなければいけないという判断(の程度)が落ちたかもしれない。そのようにも見える。そう見れば、乱暴な行為とは言えないとなるでしょう。ただし、選手が横にいるのが分かっていて、見て、足を下すのは配慮がないとも見える。どちらとも取れるが、少なくともイエローカード以上という判断はできる」と話していた。

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