試合巧者の鹿島が土俵際で耐え抜く

　均衡が破れたのは後半開始直後の5分だった。左サイドのDF山本脩斗のクロスに、ニアサイドの金崎がダイビングヘッドで飛び込む。これが川崎GKチョン・ソンリョンの手をすり抜け、ゴール右隅へと収まり1-0。決勝進出には勝利が絶対条件の鹿島が、エースの気迫の一撃で先手を取った。

　1点ビハインドとなった川崎は、より攻撃に意識を傾けざるを得なくなった。同13分には中村憲がフェイントから巧みなシュートを放ったが、サイドネットに当たるなど、プレッシャーからかシュートを枠内に飛ばせないシーンが続く。試合巧者の鹿島は土俵際で耐え抜き、金崎の挙げた虎の子の1点を守り切った。

　決勝で待つのは年間勝点1位でセカンドステージ王者の浦和。両チームのサポーターが熱く燃える“赤き決戦”が、2016年Jリーグのクライマックスとなる。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文　text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images