横浜FC三田の“出場0分”一発退場 審判委員会が経緯説明「どのような状況でもレフェリーに触るのは認められない」

三田啓貴の一発退場に審判委員会が見解【写真:徳原隆元】
三田啓貴の一発退場に審判委員会が見解【写真:徳原隆元】

無線システムを通じた音声も公開「25番、叩いたから退場。叩いた」

 日本サッカー協会(JFA)の審判委員会は7月4日にレフェリーブリーフィングを実施。いつかの事例を取り上げるなかで6月24日に行われたJ1リーグ第19節京都サンガF.C.対横浜FC戦が取り上げられた。

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 横浜FCは、前半アディショナルタイムにピッチサイドでアップをしていたMF三田啓貴が退場となった。ルーズボールに京都FW山﨑凌吾と横浜FCのDF岩武克弥が寄せていったなか、蹴り出されてサイドラインを割ったボールに対し京都のスローインと和角敏之副審がジャッジを示した。しかし、ライン際でアップをしていた横浜FCのベンチメンバーが判定に抗議。ラストタッチが山﨑のように見えたプレーであり、横浜FCボールでの再開が正しいのではないかと主張した。その際に、三田の腕が和角副審に接触している場面があった。

 池内明彦レフェリーはプレーを止め、和角副審と協議。三田にレッドカードを提示した。ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)での確認も通して最終的に一発退場は変わらずにプレーは再開。ただ、当初の判定だった京都ボールではなく、横浜FCボールのスローインになった。

 JFA審判マネジャー・リーグ担当統括の東城穣氏は「やり取りの中で、前提としてVARが介入してレッドカードにしたわけではないということ」として映像を用いてこの場面を紹介し、無線システムを通じた音声も公開。「25番、叩いたから退場。叩いた」という音声の後に、VARルームからの「ディレイ、ディレイ、ディレイ。流して」という映像確認のためにプレーの再開を待つように伝える音声が入った。そして「チェックコンプリート、アイ・コンファームド・レッドカード」という声が入っている。

 また、その間に「白ボール、白ボール」と、横浜FCのスローインであることを主張する声も入っていたが、東城氏によるとこれは第4の審判員(フォース)を務めた西山貴生氏のものだとして「スローインは最初に副審が京都ボールにしているが、再開する時には横浜FCボールにしている。白ボール、白ボールという声はフォースから発している。まず副審が京都ボールにしたところ、映像から見れば明らかに京都の選手がラストタッチなので残念ながら誤り。レフェリーの位置からは見づらいので、副審の方が見やすいから(レフェリーは)『分かった』と。ちょっと雰囲気がおかしいとなった時にフォースから声が入ったので、最終的に判定を変えた理由はそこ」と話した。

 そして、三田の退場については「行為については、確かに判定のところであって何か言いたいことは理解する部分はあるにせよ、どのような状況でもレフェリーに触るのは認められないアクション。これによって懲戒罰を出したのはサポートされるべき事象。フィールド上の判定の質を上げていこうというのは、VARやテクノロジーが入ろうが、まずはフィールド上が大事だと話している。それとは別に、このようなアクションは認められず、それに対する懲戒罰は私たちとしてはサポートしたい」と話した。

 また、第4の審判員が判定に助言を与えるタイミングについて「難しいが、状況のおかしさを感じて声を掛けたかもしれない」と話していた。

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