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欧州CL&クラブW杯で試合数増…サッカー選手は「限界超えてる」 国際選手会が警鐘
大会方式の変更に伴い試合数が増加、Fifproが選手への負荷拡大傾向に問題視
国際プロサッカー選手会(Fifpro)は大会方式の変更による試合数の増加や過密なスケジュールによって「選手の健康が脅かされている」と警鐘を鳴らしている。
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サッカー界では年々試合数が増加傾向にある。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)が2024-25シーズンから出場チームが現在の32チームから36チームに増加することが決定。グループステージの方式もこれまでと異なり、1シーズンで最大17試合を行う可能性がある。
2021年から4年に1度の開催となったFIFAクラブワールドカップ(クラブW杯)も次回25年大会からは出場枠が32チームへと拡大される。グループステージから決勝まで勝ち進めば最大で7試合を戦うことになる。
また、昨季はシーズン途中の11月から12月にかけてカタール・ワールドカップ(W杯)が開催されたこともあり、試合日程がこれまで以上に過密となった。選手への負担も大きくなっていたのは間違いない。
Fifproは男女1800人の選手データを基にした「Player Workload Monitoring report」を公開。そのなかで「2つのメジャートーナメント(CL、クラブW杯)の改革により、両方の大会に出場することが考えられる選手たちの出場試合数が増加することになる」と結論づけた上うえで、「これは、国際的なマッチカレンダーの中ですでに限界に達している選手たちの健康を脅かすことになる」とさらなる試合数の増加に警鐘を鳴らしている。
最近の選手たちが以前と比べてプレー時間が増加傾向にあることはデータ上からも明らかであり、Fifproは負傷や燃え尽き症候群のリスクが高まっていると指摘した。例えば、現在22歳のブラジル代表FWヴィニシウス・ジュニオール(レアル・マドリード)はキャリアでクラブと代表で計1万8876分プレーしているが、これは元ブラジル代表MFロナウジーニョ氏の同時期のプレー時間と比べるとすでに2倍以上になっているという。
収入面の増加ばかりを意識した競技の拡大によって選手の健康面は軽視されているとの見方があり、Fifproのジョナス・ベア=ホフマン事務局長は「マッチカレンダーのカニバリゼーション(奪い合い)によって、現代のエリート選手たちは前の世代の選手たち以上に精神的、身体的ストレスを与えられている」と語った。さらに選手たちを保護する解決策の兆しがないことも問題だと指摘している。
今年3月、マンチェスター・ユナイテッドのDFラファエル・ヴァランは29歳の若さでフランス代表からの引退を宣言した。その際に「カレンダーはすでに限界を超えている。選手たちは酷使され、さらに悪化していくだろう」とサッカー界の日程問題に苦言を呈していた。実際にプレーする選手たちが危機感を募らせている現状をこのまま放置していていいのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)