歴代日本人ストライカー「フィジカル部門TOP5」 代表OBが驚愕「ヘディングさせたらNo.1」
【専門家の目|栗原勇蔵】元同僚である田原豊と矢島卓郎のフィジカルは規格外
日本サッカー界にはこれまで、さまざまなタイプのストライカーがその名を轟かせてきた。相手との巧みな駆け引きから得点嗅覚を発揮した者や力強いポストプレーを武器にゴールへ迫ったハンターなど、特徴は多岐にわたる。「FOOTBALL ZONE」では今回、日本人ゴールハンターの系譜を振り返るべく特集を展開。横浜F・マリノス一筋で18年間プレーした元日本代表DF栗原勇蔵氏に、対戦した選手をベースに日本人ストライカーのランキングを作成してもらったなかで、番外編として「フィジカル部門」のトップ5を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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◇ ◇ ◇
1位タイ:田原 豊
■元所属:京都ほか
■年齢:41歳(OB)
■身長・体重:187センチ・87キロ
■J1通算成績:95試合13得点
「F・マリノスで同僚だったこともあるし、対戦もたくさんしました。とにかく身体が強い! 身長187センチ、体重も90キロ以上だった時期があるくらいの日本人離れした迫力がありました。重ければ動きが鈍くなることもありますけど、田原さんはスピードがないわけじゃなくて、キープやヘディングをさせたらナンバーワンだと思います。ヘディングで勝ちに行って、胸トラップされたのは、サッカー人生で田原さん以外にはやられたことはなかったです」
1位タイ:矢島卓郎
■元所属:川崎ほか
■年齢:39歳(OB)
■身長・体重:182センチ・80キロ
■J1通算成績:176試合38得点
「ヤジはパワーだけでなく、スピードも兼ね備えたストライカーでした。『フィジカル=パワー×スピード』の部分があると思いますし、ラグビー選手みないなものなので、ヤジのようなタイプは希少ですし、止めるのは難しかったです。単純な馬力だけで言ったら、ヤジが一番かなと。ただ、ヤジと田原さんは同じ欠点があって、搭載しているエンジンが強力すぎて身体がついていかないので、怪我が多かった。もし、それに耐えられるボディーを備えていたら、日本代表に入っていてもおかしくなかったと思います」
3位:大迫勇也
■現所属:神戸
■年齢:33歳(現役)
■身長・体重:184センチ・75キロ
■今季J1成績:15試合11得点
■J1通算成績:191試合62得点
「線は細いけど、体幹の強さも相まって、外国籍選手にも負けない対人能力を持っています。フィジカルにおいては、上位2人(田原、矢島)に匹敵するレベルと言っていいかもしれません。大迫の場合、フィジカルに特化しているわけでなく、万能性、総合力に優れたストライカーであることも忘れてはいけないと思います」
4位タイ:杉本健勇
■現所属:横浜FM
■年齢:30歳(現役)
■身長・体重:187センチ・79キロ
■今季J1成績:6試合0得点
■J1通算成績:288試合54得点
「杉本は上背があって、身体もめちゃくちゃ強い。ジャンプの最高到達点がものすごく高くて、自分の形に入ればほぼ負けないです。身体能力に関して言えば、トップ3にも負けていない。もっとも、ストライカーとしては、自分のところにボールが来れば決める自信がある分、足を止めていることも多いがゆえに、ゴール数は思うように伸びていない印象があります」
4位タイ:都倉 賢
■現所属:長崎
■年齢:36歳(現役)
■身長・体重:187センチ・70キロ
■今季J2成績:14試合1得点
■J1通算成績:149試合35得点
「都倉は見るからにゴツいですよね(笑)。ハリボテなんてことはなくて、あの長友佑都が『フィジカルモンスター』と称するレベル。相手DFにも当たり負けしないし、度肝を抜くようなダイナミックさもあります。得点を取るヘディング技術が高いのも特筆すべきポイントだと思います」
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。