浦和GK西川が感じたJリーグ30年の歴史 自身のデビュー戦は「足がガクガクで眠れなかった」

浦和でプレーする西川周作【写真:轡田哲朗】
浦和でプレーする西川周作【写真:轡田哲朗】

30周年を迎えたJリーグへの思い出を語る

 Jリーグは5月15日に開幕から30周年を迎えた。浦和レッズのGK西川周作は小学生の時にその開幕を迎えたことがプロサッカー選手への道を歩んだきっかけになった1人だが、印象に残っているシーンには「キング・カズ」のど派手な登場パフォーマンスを挙げた。

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 大分県出身の西川は1986年生まれで、93年のJリーグ開幕当時は小学生だった。そのブームに乗るかのように、サッカー部に入れるようになった小学3年生から周囲の友人たちと誘い合うようにサッカーを始めたという。当時はテレビ中継も盛んだったことから、黄金期を迎えていたヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)の試合を見るのが好きだったと話した。そして、GKの選手では横浜フリューゲルス(現・横浜F・マリノス)のバンダナを巻いてプレーするスタイルが脚光を浴びていた森敦彦や、ブラジルからやってきて長い手足を武器に好セーブを連発した清水エスパルスのシジマールの印象が強く残っているという。

 いつしか体格を買われてGKを始めた西川には、先日の「J30ベストアウォーズ」でGK部門のベストイレブンに選出された川口能活がプレーしていた1998年フランス・ワールドカップ(W杯)が「本当にかっこ良かったですね。小さくても素早いし、こんな風にできるんだ」という思いを与えたという。

 そんな西川にとってのJリーグの思い出に残る光景を聞いてみると「試合とか関係ないんですけど」と切り出して「Jリーグアウォーズのカズさんですね。めちゃくちゃインパクトが残ってますよ。Jリーグアウォーズはああいうところなんだって。実際に行ってみると、ちょっと違ったんですけどね」と話す。開幕初年度の93年に最優秀選手賞(MVP)に輝いたスターは、ピッチ外でも当時のサッカー少年にインパクトを与えていた。

声援を受け「プロになったんだなと実感」

 地元の大分トリニータの下部組織からプロサッカー選手になる夢を叶えた西川は「デビューの前なんかは足がガクガクで眠れなかった」と、当時を思い返す。そして「ピッチに立って応援の声を受けて、プロになったんだなと実感しましたね」と懐かしそうに話した。

 近年では若くして欧州に移籍する選手も増えてきた。それでも先日の「J30ベストアウォーズ」でMVPを受賞したMF遠藤保仁はJリーグでキャリアを積み重ねた。西川もまた大分、サンフレッチェ広島、浦和と国内でプレーし続けてきたが、「Jリーグは本当にレベルが上がったと思っているし、アジアでもACLを取って証明してきていると思う。それはJリーグにとっても大切なことだったと思いますからね」と、浦和でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)を2回制したことへの思いも語った。

 Jリーグのクラブや選手たちが次のサッカー少年たちに夢を与える循環を続けることが、日本サッカーにも重要なこと。30年を迎え、新たな歴史を作りつつも次世代につなげていく活動も大切だと言えるはずだ。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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