闘莉王が「間違いなくできる」と期待を寄せるACL制覇の浦和キーマンは? 「経験を生かさないと」

元日本代表の田中マルクス闘莉王氏【写真:荒川祐史】
元日本代表の田中マルクス闘莉王氏【写真:荒川祐史】

【インタビュー】2007年にACL優勝を経験した闘莉王が古巣の浦和にエール

 J1浦和レッズは4月29日、5月6日にサウジアラビアの強豪アル・ヒラルとAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の決勝戦に臨む。3度目のアジア制覇に向けて29日は敵地、5月6日にはホームで戦う。2007年、Jリーグ勢で初制覇した際のメンバーだった元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏は「FOOTBALL ZONE」のインタビューに応じ、キーマンやACL優勝に必要なことを明かした。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞)

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 2007年、初めてACL優勝を達成したピッチに闘莉王氏はいた。だからこそ、3度目のアジア制覇の鍵を握るのは「GK」と即答した。GK西川周作は2017年に浦和が2度目の頂点に立った際のメンバーだ。この経験値は大きなプラスとなる。

「経験を生かさないといけない。周りをどうやって動かすのか。試合の流れを読めるだけの経験をしてきた選手。行くぞという時には、『行こう!』という声を出せるのか。みんなで守らないといけないという時には『ラインを低くして守ろう』と。ちょっとしたことで早く気づいて指示を出すというのが大事な役割になる。ただ(シュートを)止めるだけではなくて。試合の流れを読むことはそれだけの経験があれば間違いなくできる」

 17年の相手もアル・ヒラルだった。当時は、12年からチームを率いていたミハイロ・ペトロヴィッチ監督が、リーグ戦の不振から途中で退任。ACLに関して言えば、ラウンド16と準々決勝の間に監督交代となり、決勝戦は堀孝史監督が率いた。3バックが強みだった浦和は4バックを選択。いい守備に注力し、第1戦では貴重なアウェーゴールを挙げて1-1で引き分けた。

 大観衆が詰めかけたホームの第2戦では、流れを掴みMFラファエル・シルバのゴールで1-0の勝利。2度目のアジア制覇となった。

 相手としては今回も同じアル・ヒラル。だが、闘莉王氏の分析では、「格上」になるという。

「今回の相手はあの時より格上になる。これは間違いない。レベル的には今回のほうが手ごわいと思う。いろんな経験をしていると思うし、自信もあると思う。(クラブ・ワールドカップでは)レアル(・マドリード)とかとやった。これは最近のこと。レッズは監督が新しくなって、いろんなものを取り込んでいるところ。(2017年に)決勝まで行かせた監督でも、あのチームでもない。いろんな人が変わってチームを作っている段階なので、連係的なところでも少し欠けていると思う。準備、心構えが必要」

 相手は今年の2月にクラブ・ワールドカップの決勝でスペインの強豪レアル・マドリードと対戦。3-5で敗れたものの、準決勝では南米王者のブラジル1部フラメンゴに3-2で勝利している。

 そんな自信をつけた相手に勝利するには――。一番必要なこととは何なのか。

「周りの雰囲気にのまれないこと。一瞬一瞬集中すること。これが本当に少しでも、2、3分ぼーっとしていたらあっという間にやられる。2、3分で試合が決着してしまう。そこは集中してほしい」

 第1戦はサウジアラビアの敵地。中東のアウェーは独特な雰囲気もある。経験値の少ない選手もいるなか、西川が牽引して90分を通して戦い抜く覚悟が浦和には必要だ。

 そんな闘莉王氏は第2戦が行われる5月6日、午後6時キックオフとなるACL決勝ホーム戦を、オンラインコミュニティ「闘莉王TVプロジェクト」のスペシャルメンバー限定イベントを開催する予定だ。

[プロフィール]
田中マルクス闘莉王(たなか マルクス・トゥーリオ)/1981年4月24日、ブラジル・サンパウロ州生まれ。サンフレッチェ広島―水戸ホーリーホック―浦和レッズ―名古屋グランパス―京都サンガF.C.。Jリーグ通算529試合104得点。日本代表通算43試合8得点。浦和と名古屋でチーム初のリーグ優勝に貢献し2006年JリーグMVPを受賞。03年に日本国籍を取得し、04年アテネ五輪に出場。10年南アフリカW杯で日本代表の16強進出に貢献。19年シーズンで現役引退後、YouTubeチャンネル「闘莉王TV」が話題に。22年11月にオンラインコミュニティ「闘莉王TVプロジェクト」をローンチ。

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