浦和×札幌のハンド→PKは妥当だったのか 専門家の見解は?「そもそもリスクがある」が「厳しい判断」

浦和FW興梠のシュートが相手の手に当たるシーンが話題(※写真は別シーン)【写真:Getty Images】
浦和FW興梠のシュートが相手の手に当たるシーンが話題(※写真は別シーン)【写真:Getty Images】

オンフィールドレビューが行われ、札幌MF青木のスライディングタックルはハンドの判定

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」で、4月15日のJ1リーグ第8節、浦和レッズと北海道コンサドーレ札幌の試合が取り上げられた。浦和がハンドの反則によりペナルティーキック(PK)を得た場面が議論の対象になった。

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 後半33分、ペナルティーエリア内で浦和FW興梠慎三が放ったシュートを札幌MF青木亮太がブロックしたプレーは、当初ノーファウルとされていた。しかし、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)と御厨貴文レフェリーが交信した後、オンフィールドレビューが行われるとPKの判定になった。青木のブロックはシュートコースを予想して身体を投げ出したものであり、左腕にボールが当たっていた。しかし、これは体を支える位置にある、いわゆる「支え手」にあたるものではないかという意見もSNS上で多くあったと紹介された。DAZNがツイッター上で取ったアンケートではPKが57%、ノーファウルが43%という数値だったという。

 現役時代にサンフレッチェ広島や浦和などでプレーしたゲスト出演の石原直樹氏は「体に当てようと思ってスライディングしているが、手が体を支えるのか、大きく見せよう大きくしているのかの判断は難しい」とコメント。そのうえで、自分が主審ならという質問には「PKにすると思います」と話した。

 一方で、同じくゲスト出演した元日本代表DF坪井慶介氏は「青木選手のスライディングの体勢は自然かと思う。興梠選手に背中を向けてスライディングしているので、左手は地面につかざるを得ないので自然な動作だと思う。(手が)地面に着く前であり、支えている前なのでハンドになるかもしれないが、動作は自然ではないか」と話した。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、御厨レフェリーについて「この状況からすると良いポジションにいる」と話す。一方で判定について「(レフェリーがボールと腕のコンタクトを)見えなかった可能性がまず高いと思いました。ん? と思うけれども確証を持って判断するのは難しく、副審にも難しい。映像を見ると『え? これ反則にしちゃったの?』というのが正直な印象」とコメントした。そして、VAR介入の理由を「シュートに対してDFが身体を投げ出し、シュートブロックしているように見える。レフェリーは恐らく見えていないので、映像を確認したうえで判断しますかというやり取りをしたのではないか」と推察した。

 そのうえで判定について「支え手という文言は競技規則からなくなっているが、解釈がなくなったわけではない。この状況での左手が不自然に大きくしたと言えるかと言えば、言えない。真下に下ろしているので、飛び込んだ状況で支えるのはプレーの中で認められる延長線上の行為と僕は判断するので、ちょっとハンドの反則と判断するのは厳しい判断かな」と話している。「スライディングタックルは体を制御できないので、そもそもリスクがある。ペナルティーエリア内でボールが手にあたることはハンドの反則になるリスクがある。その2つの大きなリスクがこの行為には含まれる。主審の判断、解釈が大きく競技規則から逸脱しているとは思わないが、細かく見ていくとハンドの反則と言えるものは、僕の中にはない」とコメントしていた。

 また、このVARとの確認映像がスタジアムのビジョンに映し出されることで、レフェリーがノーファウルの判断を下すのが難しいという点も話題に挙げられていた。

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