2人退場&複数のVAR介入…札幌戦は激動の決着 浦和のスコルジャ監督「楽な試合ではなかった」

浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:徳原隆元】
浦和のマチェイ・スコルジャ監督【写真:徳原隆元】

浦和、札幌それぞれ退場者、得点に直結する3つのシーンでVAR介入

 浦和レッズは4月15日のJ1リーグ第8節、北海道コンサドーレ札幌戦で4-1の勝利を収めた。埼玉スタジアムのリニューアル初戦だったが、激動のゲームを制する形になった。

【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから

 浦和の本拠地埼玉スタジアムは、当初予定では2021年末から改修工事の予定だったが、昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選での使用を望んだ日本サッカー協会の要望もあり工事が1年の延期。昨年末から芝生の全面張替えを伴う改修となった。その工事を終えての初戦がこのゲームになった。

 その浦和は前節の名古屋グランパス戦で主将のDF酒井宏樹が負傷離脱。このゲームではDF荻原拓也が今季リーグ戦の初スタメンで左サイドバック(SB)に入り、DF明本考浩を右SBに回した。両者とも左利きの選手でベンチスタートには右利きのDF馬渡和彰も控えたが、マチェイ・スコルジャ監督は「この試合に向けてのビルドアップは、左利きが右SBにいたほうがいいというものだった」と、戦術的な理由もある起用だったと明かした。

 そのゲームは大きな判定が繰り返されるものになった。まずは前半35分、敵陣に広く空いたスペースにドリブルで仕掛けた浦和FW興梠慎三を札幌DF中村桐耶が倒した場面が、ゴール正面かつカバーの誰もいない場所でのファウルとなりDOGSO(通称ドグソ/Denying an Obvious Goal-Scoring Opportunity/決定的な得点機会の阻止)で中村が退場に。札幌は残り時間を10人で戦う状況になった。

 後半23分に浦和がDFアレクサンダー・ショルツのゴールで先制した2分後、MF伊藤敦樹の縦パスを興梠が競った背後から抜け出したMF関根貴大が相手GKまでかわしてゴールしたかに思われたが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の映像確認で関根がオフサイドの位置にいたとしてゴールが取り消された。

 さらに後半30分に浦和のFWホセ・カンテが相手GKク・ソンユンに詰めたプレーが、足の裏から踏みつけるファウル。当初はイエローカードが提示されたがVARの進言でオンフィールドレビューが行われてカンテは退場処分に。そして後半33分には、ペナルティーエリア内で興梠が放ったシュートを札幌MF青木亮太がブロックしたプレーは、VARからハンドの反則があったと進言。再びオンフィールドレビューが行われるとPKの判定になった。青木のブロックはシュートコースを予想して身体を投げ出したものであり、身体から離れていた腕にボールがヒットしたものだった。

 このPKは興梠が決めたのち、札幌は後半43分にMF菅大樹が追撃ゴール。しかし、10分の表示だったアディショナルタイムに浦和が2得点して4-1の勝利になった。退場者2名、VARによる決定的な介入が3回という激動のゲームになった。スコルジャ監督は「札幌戦は常にそうだと思うが、楽な試合ではなかった。選手たちは非常にいい仕事をしてくれた。メンタルの部分でもトップレベルだった」と、複雑な状況が多発したゲームを乗り切った選手たちを称えていた。

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング