「狂気のプレミア」 途中解任計12人の“ドタバタ劇”に伊メディア注目「専門家たちをも青ざめさせる」
ポッター監督、トゥヘル監督らが途中解任
イングランド1部プレミアリーグでは、強豪チェルシーのグレアム・ポッター監督が現地時間4月2日に解任された。これがシーズンで延べ12人目の監督解任となり、イタリアのサッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」では、「狂気のプレミア」と特集している。
イタリアからは、先日トットナムの監督を解任されたアントニオ・コンテ氏のほかに、日本代表MF三笘薫が所属のブライトンでロベルト・デ・ゼルビ監督が今季のプレミアリーグに参戦している。これはチェルシーが昨年9月にトーマス・トゥヘル監督を解任したのに伴ってポッター氏がチェルシーに引き抜かれたことで就任したものだが、シーズン中のスタートだったにもかかわらず、デ・ゼルビ監督はすでにプレミアリーグの中で11番目に長い期間、同じチームを率いている監督になっているという。
レポートでは、「イングランドでは、今シーズンは記録的なシーズンである。この数字は、かつてのセリエAでのザンパリーニ、プレツィオージ、チェッリーノといったこの分野の専門家たちをも青ざめさせるものである」とされた。ここで名前の挙がった、例えばマウリツィオ・ザンパリーニ氏はパレルモで会長を務めて2シーズンで11人の監督を解任したこともある。それにより、「シチリアの活火山」などと呼ばれることもあった。しかし、今季のプレミアリーグでの解任劇の多さはそれらを彷彿させるものがある。
直近でポッター氏を解任したチェルシーは、クラブOBにして元監督でもあるフランク・ランパード氏の暫定監督就任を発表。しかし、そのランパード氏でさえも今季はエバートンを率いてプレミアリーグに参戦し、途中解任されたばかりだ。
現在のプレミアリーグは海外資本の流入や、チェルシーの共同オーナーでもあるトッド・ベイリー氏のようなアメリカ系の実業家も多数クラブ経営に参戦するようになってきている。そうした部分で選手獲得に多額の投資を行う反面、結果に対して性急な面も顕著になってきているのかもしれない。シーズンも最終盤に入っているが、ここからさらに監督解任によるショック療法に打って出るクラブは出てくるのだろうか。
今季プレミアリーグで途中解任された監督は以下のとおり。
グラハム・ポッター(チェルシー)
ブレンダン・ロジャース(レスター・シティ)
アントニオ・コンテ(トットナム)
パトリック・ヴィエイラ(クリスタル・パレス)
ネイサン・ジョーンズ(サウサンプトン)
ジェシー・マルシュ(リーズ・ユナイテッド)
フランク・ランパード(エバートン)
ラルフ・ハーゼンヒュットル(サウサンプトン)
スティーブン・ジェラード(アストン・ビラ)
ブルーノ・ラージ(ウォルバーハンプトン)
トーマス・トゥヘル(チェルシー)
スコット・パーカー(ボーンマス)
(FOOTBALL ZONE編集部)