湘南DFのハンド→PKは厳しい判定? 識者が解説…元Jリーガーは持論を展開「忍者じゃないんだから…」

湘南DFのハンドシーンに反響(写真はイメージです)【写真:高橋 学】
湘南DFのハンドシーンに反響(写真はイメージです)【写真:高橋 学】

ジャッジリプレイで湘南DF舘のハンドのシーンに注目、家本氏がVARのガイドラインも説明

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「ジャッジリプレイ」で、4月1日に行われたJ1第6節の湘南ベルマーレ対ガンバ大阪(4-1)の試合が取り上げられた。ペナルティーエリア内でハンドの反則を採用するか否かの判断に対する議論が繰り広げられている。

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 後半43分、G大阪のFWイッサム・ジェバリが放ったシュートが湘南選手に当たってコースが変わり、最終的にDF舘幸希の左腕付近にボールが当たった。山下良美レフェリーはペナルティーキック(PK)の判定を下し、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の確認もあったもののオンフィールドレビューはなく、そのまま判定が確定している。

 ゲスト出演した柏レイソルなどでプレーした増嶋竜也氏は、舘がシュートコースに入っていなかった状況であることを指摘。さらに、舘の左腕の動きも「ボールが当たった反応で動いているのであって、意図的に動いているものではない」とコメント。さらに「シュートブロックにいって腕が開いていて当たったなら分かるけれども、ボールのコースに入っていないところから角度が変わってきたものを避けるのは忍者じゃないんだから無理でしょう」と、跳ね返りが舘に向かって飛んできたことを鑑みてもハンドの反則は厳しいのではないかという意見を話した。

 元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、「手や腕をボールの方向に動かしたか、手や腕で体を不自然に大きくしたと主審に解釈されたか」というハンドの反則に関する2つの論点を提示。そして「この場合は手を動かしていない。2つ目のところで、舘選手の左腕が不自然に大きくしたといえるのか、予期できる状況にあったのか。シュートコースに自分がいないので予期はできない。まして味方の選手に当たった後に方向が変わっている。距離も近いしボールスピードもある」と指摘する。

 そのうえで「確かにちょっとだけ体から腕が離れているのも事実。腕が伸びた状態で立っているところにボールが急に来た。これが競技規則と照らし合わせた時にハンドの反則と言えるのかは厳しい」と判定に関する意見を話した。

 一方で家本氏は、自身の経験から山下レフェリーの感覚を「DFに当たったと感じずに直接シュートがいったように感じた可能性がある」とコメント。また、舘の挙動について「残念ながら当たった瞬間に無意識で『やばい』と。あのシュートコースで足に当たって、そんなスピードがないので(大きく)こんなに腕が弾きあがるほどの勢いはないと思う。反射的に避けようという動作がくっついてしまったため、大きく腕が上がってしまった。これはどちらかというと避けようという、不自然に大きくしようというものではなくPKを取られてしまうかもしれないという心理でのリアクション」と話す。

 そして家本氏は、判定への流れについて「レフェリーの印象とすると、あの瞬間にこれが起こることを予想できない中でパッと腕が動くと、大きな動きに人間の意識はフォーカスされる」と経験から話を展開。VARの介入については「必ず確認している。おそらくレフェリーとのコミュニケーションで『手を不自然に大きくしたところに当たったのでPK』と言われてしまうと、映像上では離れている。これは解釈の問題になる。ただ、絶対に介入できないものかと言えばそうではないと思う。『1回(映像を)確認しますか』と言うこともできる」と可能性を指摘した。

 ただし、VARのガイドラインを「基本的に現場の判断をフォローなので、正しさを求めるものがVARじゃない。ハッキリした明白な間違いと言えるのかというところでは、僕が理解しているVARの基本的な考え方はフォローしていきましょうという部類に入る」と説明。そのうえで、状況によって主審からVARに対して映像確認をオーダーすることもできるという運用も解説していた。

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