「収穫はほとんどなかった」 森保J、3月シリーズ1分1敗を日本代表OBが酷評「チームとしてバラバラ」

元日本代表DF栗原氏が日本代表に厳しい目【写真:Getty Images】
元日本代表DF栗原氏が日本代表に厳しい目【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】瀬古やバングーナガンデ、中村のA代表デビューはあったが…

 森保一監督率いる日本代表は、昨年のカタール・ワールドカップ(W杯)後初の活動となった3月シリーズでウルグアイ代表、コロンビア代表と対戦し、1分1敗に終わった。元日本代表DF栗原勇蔵氏は、「チームとしてバラバラ」と収穫が少なかったことを指摘した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本代表は昨年のカタールW杯でベスト16の結果を残し、森保監督の続投が決定。W杯後の指揮官続投は日本サッカー史上初の出来事となった。

 2026年のW杯でベスト8以上を目指すなか、第2次政権の初陣となった3月シリーズはウルグアイ、コロンビアと対戦。ウルグアイ戦はFW西村拓真(横浜F・マリノス)のゴールで1-1と引き分けた一方、コロンビア戦はMF三笘薫(ブライトン)の豪快ヘディング弾で先制しながら1-2と逆転負けを喫した。

 カタールW杯組以外では、DF菅原由勢(AZアルクマール)が右サイドバック(SB)で2試合連続のスタメン出場、DF瀬古歩夢(グラスホッパー)とDFバングーナガンデ佳史扶(FC東京)、FW中村敬斗(LASKリンツ)がA代表デビューを果たした。しかし、元日本代表DF栗原氏は、「これまでは(前キャプテンのDF)吉田麻也が統率していましたけど、今回は絶対的な軸がなくて、チームとしてもバラバラになっているんじゃないかと感じました」と厳しい見解を述べる。

「伊藤洋輝は相変わらずで、瀬古も出来的には呼ぶ意味があったのか。正直、厳しさを感じたし、どうしても厳しい評価にならざるを得ない。無理に海外組を呼び過ぎなのではないかとさえ思うほどです。もちろん、海外組で活躍して選ばれる選手はいますけど、海外でプレーしているからという理由だけで選ばれている選手もどうしてもいる気がしてしまう。まずその基準を変えないといけない。バングーナガンデは(Jリーグの)FC東京所属だけど、(オランダでプレーしている)菅原よりもいいか悪いか。言うほど大きな差はない気がします。中村敬斗とかもっと使っても面白かった」

 三笘や伊東の個人技でチャンスを作ることはあったが、2人はカタールW杯前からの戦力。MF鎌田大地(フランクフルト)をボランチでもテストしたが、新たな発見は少なかったと栗原氏は語る。

「伊東(純也)、三笘もスピードは武器だけど、コロンビアみたいにスピードもある相手だと、試合を通して活躍するのは難しくなる。日本からしたら、コロンビアはまだ格上。1人1人の能力も高くて出てくる足の長さも違うし、ボールを持てる。上田綺世の身体能力、ヘディングのジャンプとかは周り次第でもっと生かせると思いましたけど、残念ながら3月シリーズの収穫はほとんどなかったと言わざるを得ないです」

 次なる代表活動は6月。キリンチャレンジカップ2試合でチームとして上積みをすることができるのか、森保監督の手腕が問われることになる。

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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