第2次森保ジャパン、初陣で見せた新たな挑戦 これまでになかった「日本代表に求められる」形

日本代表はウルグアイ代表と1-1のドロー発進【写真:徳原隆元】
日本代表はウルグアイ代表と1-1のドロー発進【写真:徳原隆元】

森保ジャパンは第2次政権に突入 初陣のウルグアイ戦はドロー

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング20位)は、3月24日にキリンチャレンジカップでウルグアイ代表(同16位)と対戦し、1-1で引き分けた。カタール・ワールドカップ(W杯)後初めての国際親善試合で、森保ジャパン第2次政権の初陣を飾った。5年前の2018年に第1次政権を立ち上げて以降、W杯を経て積み上げてきたなか、初戦では新たなトライを見せた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞)

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 森保ジャパン第2章が幕を開けた。ベスト16で終えた昨年のカタールW杯を終えて、引き続き指揮を執ることとなった森保監督。日本史上初めてW杯後の続投で長期政権を実現した。そして、第2次政権の初陣ウルグアイ戦では、先発11人の平均年齢25.8歳となる若手メンバーで臨んだ。

 GKシュミット・ダニエル(シント=トロイデン)、最終ラインには左から伊藤洋輝(シュツットガルト)、瀬古歩夢(グラスホッパー)、板倉滉(ボルシアMG)、菅原由勢(AZ)が名を連ね、ダブルボランチは安定感ある遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)が入った。

 注目の2列目はW杯後、イングランド1部ブライトンで目覚ましい活躍を遂げ、公式戦でここまで9得点5アシスト(27試合出場)と好調をキープしている三笘薫が左サイドを務め、トップ下に鎌田大地(フランクフルト)、W杯で2ゴールした堂安律(フライブルグ)が右サイドに入った。1トップは、こちらもW杯で貴重な得点でドイツ戦の勝利に導いた浅野拓磨(ボーフム)が先発を務めた。

 最終ラインは26歳の板倉が最年長というフレッシュな顔ぶれとなるなかで、見せたのは新たな挑戦だった。サイドバック(SB)が中に入っていき、相手サイドハーフをつり出したなかでサイドを切り崩す……。まだまだ挑戦の過程ではあるものの、選手も手ごたえを口にした。

「まずはトライしたというところで、ポジショニングを実際の試合の中でやれたと思う。もう少し僕としても、うしろからいいパスを前の選手に出してあげたかった。上手くいったところもあれば、いかなかったところもある」(板倉)

「新しいことにトライしている部分もあるので、そんなに難しいという感じ方はしていない。僕にとって新しいサッカー勘はいるけどオランダでもSBで中に入ることもあるし、攻撃に関わるのも求められている。何でもできるのに越したことはないし、それが日本代表に求められるSB像」(菅原)

W杯ベスト8進出の目標へ新たな上積みが不可欠

 カタール大会ではベスト8を目標としながらもあと1歩届かなかった。次こそベスト8を達成しなければいけない。カタール大会では、ドイツやスペインを破ったものの、ボールを握ることはできず、少ないチャンスをものにした形となった。だが、決してその姿は日本が目指しているものではない。

「今日はボールを持てたけど位置が低すぎた。W杯ではボールさえ持てなかった。ボールを持とうという意識、主体的に保持して戦いたいというのがチームとしてある。それに取り組みつつ、ベースとして守備の強度が足りず切り替えも遅かったので、ベースのところは忘れてはいけないと思う」(堂安)

 そのなかでの新しい挑戦。日本がベスト8を目指すなかでは新たな攻撃のオプションが必要。好調の三笘がエース候補として君臨するなど、日本の2列目はタレントが豊富だ。サイドの選手を生かす形を探るために、初陣からさらなる“上積み”を披露したのは、これまでにない日本サッカーの1歩となりそうだ。

 実際、1点ビハインドのなかで途中出場したMF伊東純也(スタッドランス)とFW西村拓真(横浜F・マリノス)が結果を残して、1-1に追い付いた。カタールW杯に続き、森保采配が光った。この初陣が見せたのは第2次森保ジャパンが目指そうとする理想。3年後のW杯、その“答え合わせ”ができるだろう。

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