なぜファウル→オフサイドの可能性に変更? 湘南×横浜FC、PK取り消しシーンを元主審&現役選手が検証

「Jリーグジャッジリプレイ」は町野のPK取り消しをピックアップ【写真:徳原隆元】
「Jリーグジャッジリプレイ」は町野のPK取り消しをピックアップ【写真:徳原隆元】

「Jリーグジャッジリプレイ」で南葛SCの大前元紀と今野泰幸がコメント

 スポーツチャンネル「DAZN」の判定検証番組「Jリーグジャッジリプレイ」で、2月24日に行われたJ1リーグ第2節、湘南ベルマーレと横浜FCの一戦からワンシーンをピックアップ。後半40分、湘南FW町野修斗が倒された場面でPKが与えられたが、その前の時点でオフサイドがあったという判定になっていた。

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 湘南のDF舘幸希が放ったシュートをGK永井堅梧がセーブ。こぼれ球を湘南FWタリクがプレーした場面で、舘がシュートを放った時点でタリクがオフサイドポジションにいた。ピッチ上ではオフサイドフラッグは上がらずにプレーが継続し、こぼれ球を拾った町野を横浜FCのDF中村拓海が倒したプレーがPKと判定されていた。

 当初、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)が確認している要件をスタジアムのビジョンなどに示す「VARdict」では「PK確認中 ファウルの可能性」と表示されたが、のちに「PK確認中 オフサイドの可能性」と変わり、VARの映像確認でオフサイドが確定した。

 この判定の流れについて元国際審判員・プロフェッショナルレフェリーの家本政明氏は、「現場の判断が優先される」と前提を出して「時系列はオフサイドのあとにPKだけれども、現場の判断がPKなので、先に接触について確認して主審の判断をフォローできるとしてPKの判断は確定している。次にオフサイドの確認で、VAR、AVAR(アシスタントVAR)が見た時にタリク選手がオフサイドポジションにいて、シュートを打った時にGKに当たるものの、プレーではなく跳ね返り(ディフレクション)と判断できるので、PKの前にオフサイドがあると判断されて判定が確立した」と説明した。

 ゲスト出演した関東1部南葛SCのFW大前元紀と元日本代表MF今野泰幸は、この接触がPKにあたるかどうかという点について「自分がやっていればPKだろうと思うだろうけど、客観的に見ればファウルをもらいに行っているように見える。DFの強さが分からないので難しいけど、ファウルではないと思う」(大前)、「スローで見なければファウルかと思うけど、スローで見ると町野選手からぶつかりに行って、町野選手から倒れているようにしか見えない。横浜FCの選手もよく見ると何もしていない」と、当初の判定に対しては疑問を呈した。

 また、オフサイドに関してGKのセーブが意図的なプレーにあたるかという点で家本氏は「ボールとの距離がかなり近く、強くて速いボールに対してどれくらい動いているかと言えば、動いていない。これをプレーとは見ないので、ディフレクションになる」と話し、オフサイドの判定に問題はないという見解を示した。

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