こんな“第2次森保ジャパン”が見たい 求められる若手起用&試合経験の充実

どんな第2次森保ジャパンが見たいか展望【写真:ロイター】
どんな第2次森保ジャパンが見たいか展望【写真:ロイター】

【識者コラム】森保監督と再び歩む4年間に必要なものとは?

 日本代表を率いる森保一監督は2月13日、ヨーロッパ視察から帰国した。今後はスタッフと手分けしてJリーグの視察を行う予定になっている。3月に開催されるキリンチャレンジカップは24日にウルグアイ、28日にコロンビアと対戦することも決まって、第2次森保ジャパンの始動も目の前だ。

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 自らハードルを上げた森保監督だが、4年前に就任した時とは監督を取り巻く状況が違う。コロナ2019の影響でチーム作りが遅々と進まないなか、大会前は不安視されたカタール・ワールドカップ(W杯)では、それまで見せてこなかった大胆采配でドイツ、スペインを撃破するという手腕を証明して見せた。

 となると、ここから次のW杯まではさまざまなテストを行っても、そして練習試合の成績が悪くても、よもや途中解任はないだろう。むしろ全敗してもいいくらいの相手たちとばかり対戦するのがチーム作りのためにはいいのではないか。

 では、そこでどんな第2次森保ジャパンが見たいか。

 もちろんW杯で優勝する日本が見たい。だが、まだ現実的ではない。まずは決勝戦に出られるようなチームにならなければいけないが、現在はベスト16止まり。次のアメリカ・メキシコ・カナダW杯で次のステップであるベスト8以上まで進めたとしても、この4年間で奇跡的な進歩がない限り先が長いのは当然だろう。

 そして、何度も決勝戦に出られるような強さにならなければいけないのだ。アルゼンチンは5回決勝に進んでそのうち2回、フランスは4回で2回、ドイツ(西ドイツ含む)で8回のうち4回勝ったという勝率なのである。

 なので、第2次森保ジャパンにもその礎になってほしい。そのためには若い選手が次々に育ってきて、今いる選手たちを脅かすという構図がずっと続かなければならない。さしあたって、これまで森保監督が呼んだ若手選手を起用し、試合経験を積ませるというのが重要ではないか。

1999年生まれの若手を中心に構成

 例えば、こんな選手たちはどうだろう。2022年カタールW杯の全選手の平均年齢が27歳だったことを考え、2022年1月に招集(辞退および追加も含む)されたメンバーのうち、1999年以降に生まれた選手を選んでみた。

<GK>
大迫敬介/1999.07.28
谷 晃生/2000.11.22
鈴木彩艶/2002.08.21

<DF>
橋岡大樹/1999.05.17
瀬古歩夢/2000.06.07
菅原由勢/2000.06.28
西尾隆矢/2001.05.16

<MF/FW>
安部裕葵/1999.01.28
田川亨介/1999.02.11
満田 誠/1999.07.20
松岡大起/2001.06.01
細谷真大/2001.09.07
鈴木唯人/2001.10.25
荒木遼太郎/2002.01.29
藤田譲瑠チマ/2002.02.16

 ここまでで15人。そこにW杯メンバーの若い順に、惜しくも怪我で招集できなかった中山雄太を加えて12人を選ぶとする。

<DF>
板倉 滉/1997.01.27
中山雄太/1997.02.16
冨安健洋/1998.11.05
伊藤洋輝/1999.05.12

<MF/FW>
相馬勇紀/1997.02.25
三笘 薫/1997.05.20
前田大然/1997.10.20
堂安 律/1998.06.16
上田綺世/1998.08.28
田中 碧/1998.09.10
町野修斗/1999.09.30
久保建英/2001.06.04

 この合計27人を、中心にコンディションを考慮してメンバーを選んではどうだろう。

システムはカタールW杯ドイツ戦のスタートに採用した4-2-3-1

 見たいシステムは4-2-3-1。なぜならドイツ戦のスタートが4-2-3-1だったからだ。森保監督は自分たちの良さを最大限出すために4バックを選択していたはずだ。だが思った以上にドイツが強かったため、森保監督は後半から5バックにして守備を強化した。

 日本は4バックをさらに強化して攻撃の人数を増やさなければ試合は支配できないし、チャンスは多く作れない。その理想に近づくために、これから4年間、じっくり4バックを作り上げてはどうだろうか。今度はコロナ2019の影響がなく、システムはもっと熟成させることができるはずだ。

 以上を勘案し、こんな先発メンバーが考えられる。

      上田
三笘    久保    堂安
   田中    藤田
中山  冨安  板倉  菅原
      大迫

 そして、このメンバーを補うようにベテランになった選手たちを入れておくというのもいい。伊東純也、鎌田大地、遠藤航、守田英正、そして組織を引き締めるために吉田麻也というメンバーたちが控えているというのは心強いはずだ。

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森 雅史

もり・まさふみ/佐賀県出身。週刊専門誌を皮切りにサッカーを専門分野として数多くの雑誌・書籍に携わる。ロングスパンの丁寧な取材とインタビューを得意とし、取材対象も選手やチームスタッフにとどまらず幅広くカバー。2009年に本格的に独立し、11年には朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の平壌で開催された日本代表戦を取材した。「日本蹴球合同会社」の代表を務め、「みんなのごはん」「J論プレミアム」などで連載中。

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