昨季ボランチ5番手のMF安居海渡が定位置確保へ 左足ミドルで万能性アピール…新監督の下で出番を掴めるか

浦和で2シーズン目を迎える安居海渡【写真:轡田哲朗】
浦和で2シーズン目を迎える安居海渡【写真:轡田哲朗】

安居海渡は大卒ルーキーだった昨季は思うように出場機会を得られず

 J1浦和レッズのMF安居海渡は、1月15日に5-1で勝利した今季初の対外試合となる沖縄SV戦で鮮やかな左足ミドルを決めた。大卒ルーキーだった昨季は思うように出場機会を得られなかったが、マチェイ・スコルジャ監督が就任した今季はボランチのポジション争いで面白い存在になりそうだ。

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 安居は昨季、流通経済大から浦和へ加入した。大学での会見では、中野雄二監督が「OBで日本代表の守田よりも安居の方が、将来的な選手としては可能性があると思っています」とコメントしたほど。しかし、リカルド・ロドリゲス監督の2年目だった昨季は徳島ヴォルティス時代からの“ブレーン”でもあるMF岩尾憲が加入するなど、5人で争う形になったダブルボランチでは5番手の状況。リーグ戦はわずかに7試合の出場で6試合が途中出場の20分に満たないプレータイムであり、唯一のスタメンだったリーグ開幕戦はチーム内で新型コロナウイルスへの陽性者が複数出てトップ下でのスクランブル起用だった。

 今季の浦和はその5人が全員残留している上に、ユースからMF堀内陽太も昇格してボランチは6人に増えた。しかし、スコルジャ監督はダブルボランチを攻守両面でマルチにプレーできる選手を並べたい意向を持ち、さらにはハイプレス型の戦術を模索している。そのため、ボールを奪い取る強度と、奪ったボールをつないで、さらに攻撃の最終局面に参加していく能力まで求められる。そうなると、昨季と比較した時に安居の大学で鍛え抜かれた走力をベースにした万能性がある特徴はハマりやすいと予想される。

 そしてこの日のゲームでは、前半の終了間際にMF平野佑一の横パスを受けると、1つ持ち出して左足を一閃。追い風にも乗って、まさにゴールに突き刺さる強烈な一撃を決めた。安居は「シュートの意識は持とうと思っていて、その前に平野選手がシュートを打っていて、そのタイミングで『1回打ってみたらいいんじゃない?』という話もあり、思いきって打とうと思ったらいいところに飛んで結果につながりましたね」と笑顔も見せた。

 昨季の浦和は、ダブルボランチは岩尾とMF伊藤敦樹の組み合わせがファーストチョイスだった。組み立てをメインにする岩尾と前に進出する伊藤の役割分担がはっきりしていたが、今季は必ずしもその限りではなさそう。それだけに安居も「今年こそ試合に絡んでいきたい。どの選手よりも走って、攻撃でも守備でも関わっていけば試合に絡んでいけると考えているので、そういうところは手を抜かずにやっていきたい」と話した。

 昨季の時点で、その出場機会の少なさはチームメートからの評価の高さを考えれば意外な面もあった。「こういう試合でやれているところを監督に見せるのは、開幕戦のスタメンを狙うために重要なことだと思うので、しっかりとやっていきたい」と意気込む2年目のボランチは、スコルジャ監督の指揮下でブレークするだけの素養を持ち合わせている。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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