玉田圭司が考察、ドイツ戦「日本の予想布陣」 “ベースはアメリカ戦”…「不安定に見える」と指摘するポジションとは?
【専門家の目|玉田圭司】ドイツ戦で起用される11人の顔ぶれは? 日本代表の布陣を予想
森保一監督率いる日本代表は、11月23日にカタール・ワールドカップ(W杯)初戦のドイツ代表戦に臨む。W杯で4度の優勝経験を持つ強豪国を相手に、森保ジャパンはいかにして戦うべきか。かつて、名古屋グランパスや柏レイソルで活躍し、W杯2大会連続出場経験を持つ元日本代表FW玉田圭司氏に「予想布陣」を訊いた。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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日本は今大会のグループEで、ドイツ、コスタリカ代表、スペイン代表と対戦。ドイツ、スペインのW杯優勝経験国が同居するなかで、史上初となるベスト8入りを目指す。すでに8強進出経験があるコスタリカを含めた対戦3か国の実績を踏まえれば、グループ突破は極めて厳しい。そのなかでサプライズを起こすには、初戦のドイツ戦が1つの鍵になる。
グループ突破に向け、ドイツ戦では最低でも引き分けによる勝ち点1が求められる。一部主力メンバーが怪我を抱えていることもあり、先発11人の顔ぶれは俄然注目を浴びてくるなか、玉田氏は「森保監督の中ではアメリカ戦のメンバーがあるんじゃないかなと思っています」と見解を述べる。
9月にドイツで行われた強化試合のアメリカ代表戦では、4-2-3-1システムを敷いたなかで、1トップに前田大然(セルティック)を抜擢。2列目には左から久保建英(レアル・ソシエダ)、鎌田大地(フランクフルト)、伊東純也(スタッド・ランス)、2ボランチを遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)が務めた。
4バックは右から酒井宏樹(浦和レッズ)、吉田麻也(シャルケ)、冨安健洋(アーセナル)、中山雄太(ハダースフィールド・タウン)が並び、守護神にはGK権田修一(清水エスパルス)を起用。中山は怪我で今大会のメンバーから離脱しており、アメリカ戦同様のメンバーを構成することは叶わないが、前線からのプレスが奏功して勝利した一戦をイメージして臨むであろうと、玉田氏は指摘する。そのうえで、GKの起用に関してはこう持論も述べた。
「GKはシュミット(・ダニエル)選手にするんじゃないかなと。カナダ戦を見た時に、権田選手がどこか不安定に見えました。特にセットプレー時の守備に関しては際立っていたかなという印象で、そう考えると、高さも必要なんじゃないかなと感じました」
権田はこれまで、W杯最終予選で出場権を獲得したあとの1試合を除き、全試合にフル出場するなど、正守護神として君臨。森保監督からも絶大な信頼を寄せられているものの、9月の欧州遠征で背中を痛めた際、骨にヒビが入っていたことも明かしている。本人は「もう大丈夫」と強調も、カナダ戦でのプレーぶりに不安を覗かせたのは否めない。
一方でシュミットは197センチの長身を誇り、足もとの技術を生かしたビルドアップやフィードにも期待が寄せられる。9月の強化試合・エクアドル代表戦(0-0)ではPKストップで抜群の反応も披露。果たしてドイツ戦ではこの2人のどちらが起用されるのか、GKの人選も注目ポイントの1つと言えそうだ。
[プロフィール]
玉田圭司(たまだ・けいじ)/1980年4月11日生まれ、千葉県出身。名門・習志野高校から99年に柏レイソルへ入団。プロ5年目で主力に定着し、2桁得点をマークした。2004年に日本代表へ初招集。名古屋グランパスへ移籍した06年にはドイツW杯へ出場し、第3戦ブラジル戦でゴールを決めた。10年南アフリカ大会でW杯2大会連続出場。国際Aマッチ通算72試合16得点を記録した。セレッソ大阪、V・ファーレン長崎にも所属し、Jリーグ通算511試合131得点した左利きのストライカー。21年に現役引退を引退した。