W杯経験者の西川周作が主張する、“GK3人1チーム制”の団結力の重要性 「4年間ずっとやっているメンバーなので…」

シュミット・ダニエル、権田修一、川島永嗣【写真:Getty Images】
シュミット・ダニエル、権田修一、川島永嗣【写真:Getty Images】

コスタリカ代表の35歳GKナバスに注目

 ほかのポジションと違って、GKは同時に複数人がピッチに立つことがない。大きな国際大会は、開幕の時点でチーム内の正GKが決まっているのが一般的だ。その時に、残り2人がどのような役割を果たせるかは、試合に出る選手のパフォーマンスに大きく影響するという実感を西川は話す。

 そして、西川は日本と対戦するコスタリカ代表のGKケイラー・ナバスに注目しているという。その理由は、彼が所属クラブのフランス1部パリ・サンジェルマンで置かれている状況にもあるという。

「自分と年齢も同じくらい(西川が36歳、ナバスが35歳)で、所属チームでは今季、試合に出ていない。でも、彼は代表チームではキャプテンだし、間違いなく守護神。そこでどんなパフォーマンスをするのか楽しみです。日本戦もそうだし、注目していますね。コスタリカの状況を考えると、普段の試合に出ていない彼がどんなパフォーマンス、メンタリティーでやるのか。表のプレーを見て凄いのは間違いないけど、裏側にある精神状態を考えるのが好きなので。そこを見たいと思っているんですよ」

 ナバスは今季、リーグ戦でもUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でもほとんどの試合でベンチ入りも出場なく終わっている。これまで西川は、同じ1986年生まれでプレースタイルが自身と正反対のタイプのナバスに注目するような言葉を残したこともあったが、今回のW杯ではこれまで以上にその臨戦過程も含めて興味を示しているようだった。

 W杯では日本もコスタリカも、優勝経験のあるドイツ代表とスペイン代表が突破の本命と見られる一角を崩して決勝トーナメントへの進出を目指す立場になる。間違いなくGKのハイパフォーマンスが求められるが、大会中の団結力やその精神状態など、多くの要素がそこには必要になってくると、西川は経験を基に話していた。

[プロフィール]
西川周作(にしかわ・しゅうさく)/1986年6月18日生まれ、大分県出身。大分―広島―浦和。J1通算554試合・0得点、日本代表通算31試合0得点。チームを救う鋭いセービングはもちろん、パントキックの精度は神業レベルで、ゴール前から“つなぐサッカー”を体現できる唯一無二の存在。2021年に達成したJ1通算500試合出場は史上最年少(34歳10か月)だった。座右の銘は「笑う門には福来る」。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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